茨城県水戸市の生まれ。本名・本田博史。73年、文学座付属演劇研究所の夜間部に入り、翌74年に卒業。劇団青俳を経てフリーになり、蜷川幸雄演出『リア王』『王女メディア』などの舞台に立つ。79年2月、蜷川演出の『近松心中物語』で主役の平幹二朗が腰痛で倒れ、急遽代役に抜擢。同年8月の『ロミオとジュリエット』ではロミオを演じ、ゴールデンアロー賞演劇部門の新人賞を受賞する。映画初出演は小沼勝監督のロマンポルノ「性と愛のコリーダ」77。79年の「英霊たちの応援歌・最後の早慶戦」に助演してからは岡本喜八監督作品の常連俳優となり、「近頃なぜかチャールストン」81、「ジャズ大名」86、「大誘拐/RAINBOW KIDS」91などに連続して顔を出す。その後も多彩なジャンルの膨大な数の映画に出演して、名バイプレーヤーとしての地位を築く一方、フジテレビ『ただいま放課後』80に教師・ドンガメ役、テレビ朝日『必殺仕舞人』81に仕事人の直次郎役でいずれも主演するなど、テレビドラマにも多数出演してお茶の間の人気を獲得。90年代に隆盛を極めたOVや、原点の舞台でも幅広く活躍し、あらゆるジャンルで欠かせない存在となっている。その魅力はやくざや刑事、果ては全身に特殊メイクを施した“北京原人”役に至るまで、どんな役どころでも手を抜かず、時には“臭さ”すれすれのアクの強い演技によって強烈な印象を残す怪優ぶりにある。存在自体がひとつのキャラクターとも言える類稀な俳優である。