山梨県富士吉田市の生まれ。本名・渋谷昌道。少年時代から東映やくざ映画に親しみ、学生時代にはテキヤの組織に出入りする一方で、アルバイト先の旅館に客として訪れていた詩人の竹内てるよと知り合い、師と仰ぐようになる。東京経済大学経営学部を卒業後、一度は会社員生活を送るが、映画の世界への憧れを捨てきれず、竹内に東映の俊藤浩滋プロデューサーを紹介してもらい、菅原文太の付き人となる。本名でいくつかのテレビドラマに端役出演したのち、1982年の中島貞夫監督「制覇」で映画初出演。菅原、鶴田浩二、俊藤から一文字ずつもらい“菅田俊”を芸名とする。84年、テレビ朝日『仮面ライダースペシャル・10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』で初主演。これは児童向け雑誌での連載が中心だった10人目の仮面ライダー“ZX(ゼクロス)”を主役にした唯一の映像作品で、菅田はZXに変身する村雨良を演じた。その後、東映を離れて、唐十郎主宰の劇団状況劇場に参加。活動の中心を舞台に移し、劇団唐組の創立にも関わるが、87年の長谷部安春監督「あぶない刑事」87で映像の世界に復帰する。以降は、高橋伴明監督「獅子王たちの夏」91や、黎明期からのOV作品に多数出演。強面のやくざや刑事、悪役などを数々演じ、92年の福岡芳穂監督「事件屋稼業」では、主人公の中年探偵・深町丈太郎役で映画初主演を飾る。OV『ブローバック・真夜中のギャングたち』90 で出会った室賀厚監督とは強い信頼関係を築き上げ、また黒沢清監督にも重用された。2003年にはクエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル vol.1」、トム・クルーズ主演「ラストサムライ」で相次いで海外進出。テレビドラマの出演も数多く、09年の高橋玄監督「ポチの告白」では日本映画プロフェッショナル大賞の主演男優賞を受賞するなど、今もいぶし銀の男臭い魅力を放っている。