東京都中野区の生まれ。本名・室田悟。名古屋の東邦高校を卒業後、NHK名古屋制作の『高校生時代』(のちの『中学生日記』)に出演するなどして劇団の養成所を転々とする。低音の響きを買われて、次第にナレーションなどに起用されるようになり、“伊武雅之”の芸名で、1974年のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』にデスラー総統役で出演。77年の劇場版が一大アニメブームを生み、「ヤマトの諸君」と尊大に語る声はトレードマークとなる。桑原茂一、小林克也のラジオ番組に参加した76年前後から芸名を“雅刀”に改め、3人のユニットになってからの“スネークマンショー”は急速にきわどい内容のギャグ色を強めて、番組は打ち切りに。しかし、80年代に入ってレコードで人気爆発、ソロでもコミックソング『子供達を責めないで』83がヒットし、時の人となった。前後する82年、中村幻児監督「ウィークエンド・シャッフル」で劇映画初出演。TBS『金曜日の妻たちへⅡ』84から本格的にテレビドラマに出演し、超売れっ子だった声優の仕事を一時期はほぼ断って、俳優業に専念する。NHK大河ドラマ『いのち』86の三田佳子の夫役はサブカル層を驚かせたが、深みのある演技で全国区の存在に。スティーヴン・スピルバーグ監督「太陽の帝国」87の日本側キャストにも選ばれ、以後数々の映画に助演を重ねる。テレビドラマも、日本テレビ『星の金貨』95、NHK大河ドラマ『秀吉』96、フジテレビ『白い巨塔』03、『マルモのおきて』11、東名阪ネット6『ねこばん』10など主要作多数。悪役はもちろん、庶民から刑事まで何を演じても必ず一匙加わる怪しいセンスで、魅力を放ち続けている。