北海道札幌市の生まれ。本名・広田久美。4歳の頃から札幌舞踏会に通い、バレエを習う。1978年、留学のため札幌静修高校を1年で中退し、ベルギー国立芸術学校に入学。81年に帰国するが、この間に腰を痛めてバレリーナへの道を断念する。82年、ピーター・フォンダを主演に迎えた村上龍監督「だいじょうぶマイ・フレンド」のオーディションで選ばれ、“広田玲央名”の芸名で女優デビュー。翌83年に公開された作品自体の評価は散々だったが、冒頭から大胆なヌードを披露し、彼女の存在がいち早く注目される。以後、大森一樹監督「ユー・ガッタ・チャンス」85、崔洋一監督「Aサインデイズ」89、廣木隆一監督「さわこの恋」90などに助演。鈴木清順監督「夢二」91では、竹久夢二(沢田研二)をめぐる女性のひとりを演じ、同年の阪本順治監督「王手」のストリッパー・照美役と併せて、ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞する。94年には自らの撮影によるヘアヌード写真集を出版して話題を集め、若松孝二監督「エンドレスワルツ」95では、早逝した女優で作家の鈴木いずみ役をスキャンダラスに演じて絶賛される。96年の斎藤耕一監督「薔薇ホテル」ではコメディエンヌとしての魅力も垣間見せた。97年頃より芸名を現在の“広田レオナ”に改める。2000年の「DRUG GARDEN」では監督・主演をつとめ、その前衛的な演出は賛否両論を呼んだが、常に新たな分野に果敢に挑む彼女の姿勢を強烈に印象づけた。以後は助演に回ることが多くなったが、中でも大森立嗣監督「ゲルマニウムの夜」05の尼僧役や、森田芳光監督「間宮兄弟」06の薬屋のおばさん役、竹中直人監督「山形スクリーム」09のサジエ役などで健在ぶりを示している。テレビドラマの出演作に、TBS『青が散る』83、フジテレビ『親愛なる者へ』92、『ライアー・ゲーム/シーズン2』09、テレビ朝日『熱海の捜査官』10など。94年12月、劇団WAHAHA本舗の俳優・吹越満と入籍。型破りの結婚生活だったそうだが、05年12月に離婚している。