東京都中野区の生まれ。本名・柳原晴郎。日本大学商学部を卒業後、劇団自由劇場を経て、1976年、柄本明、綾田俊樹らと劇団東京乾電池を結成。“柳原ハルヲ”の芸名で舞台に立つ。その後、演劇仲間内でのあだ名だった“ベンガル”に芸名を改め、東京乾電池のメンバーと出演した山本晋也監督「赤塚不二夫のギャグ・ポルノ/気分を出してもう一度」79で映画デビューする。さらに、80年に始まったフジテレビのバラエティ番組『笑ってる場合ですよ!』などに出演して人気を集め、舞台活動と並行して映像分野でも俳優として活躍する。中でも、日本テレビ『あぶない刑事』86~89で演じた、扇子がトレードマークの刑事・田中文男役のとぼけた味わいが好評で、シリーズ化、映画化により注目度も一気に増していった。映画では、大林宣彦監督「異人たちとの夏」88に乗客の風間杜夫に困り顔のタクシー運転手役で笑いを誘って以降、大林作品の常連となり、89年の「北京的西瓜」では、中国人留学生に尽くすお人好しの八百屋主人役で初主演。その後も役の大小を問わず出演し、とりわけ2002年の「なごり雪」で、かつての親友と彼への恋心を残しつつ旅立った亡き妻へのやるせない想いを最後に爆発させる五十男のやせ我慢の美学を、見事に体現したのが印象に残る。ほかにも、アクの強い役柄やコメディリリーフ的な存在まで硬軟自在に使い分ける名バイプレイヤーとして数々の映画に出演している。テレビドラマはほかに、日本テレビ『警部補佃次郎』96~05、日本テレビ『神はサイコロを振らない』06、NHK『功名が辻』06、『ひとがた流し』07、『龍馬伝』10、テレビ東京『モリのアサガオ』10など多数。演出・脚本・出演をこなした『真夏の果実』91のほか、近年の『夜は短し歩けよ乙女』08、『ペテン・ザ・ペテン』11まで、舞台活動も精力的に続けている。