東京都の生まれ。幼少時に劇団ひまわりに入り、1976年、子役としてテレビデビュー。81年、倉本聰脚本のテレビドラマ『北の国から』で、田中邦衛演じる主人公・黒板五郎の娘・蛍を演じてお茶の間の人気者に。以降、シリーズが完結する2002年まで同じ役を演じ続けた。映画デビューは86年、倉本が脚本・監督をつとめた「時計/Adiue l'Hiver」。フィギュアスケート選手を目指す少女・夕子の成長を5年間かけて追った物語で、実際に5年間を費やして撮影された。いわば中嶋朋子の成長ドキュメンタリーでもある。大島弓子の同名漫画が原作の小中和哉監督「四月怪談」88では、自分が幽霊になったと勘違いする少女・初子役。その年、坂東玉三郎演出『ロミオとジュリエット』のジュリエット役で初舞台を踏む。吉本ばなな原作、市川準監督「つぐみ」90では、わけあって海辺の旅館で暮らす“まりあ”役で出演。ブルーリボン賞助演女優賞とエランドール賞を受賞した。91年の大林宣彦監督「ふたり」では、死後も出来の悪い妹を見守る姉の役を演じた。あの世とこの世の狭間を行き来するような女性の役と、成人を迎え少女時代に別れを告げる現実とが重なるようでもある。同年、山本直樹の人気漫画が原作の磯村一路監督「あさってDANCE」で、主人公を惑わす明るく奔放な女の子・綾役を演じ、新たな一面を見せた。近作の平山秀幸監督「太平洋の奇跡・フォックスと呼ばれた男」11での春子役は、戦地で生きる民間人の女性の純粋さ、芯の強さが光る。テレビドラマはほかに、TBS『東京エレベーターガール』92、『適齢期』94、NHK『炎(ほむら)立つ』93、『天花』04、『篤姫』08、フジテレビ『氷の世界』99、『ロケット・ボーイ』01など。舞台では、蜷川幸雄演出のギリシャ悲劇『オレステス』で神による不条理と闘うエレクトラ役を好演したほか、デヴィッド・ルヴォー演出『燈臺』『Naked/裸』、新鋭作家シャカ・カーンの戯曲『CLEANSKINS/きれいな肌』など難易度の高い作品に次々挑んでいる。09年の『ヘンリー六世』三部作では、大きな運命に翻弄される王妃マーガレット役で読売演劇賞優秀女優賞を受賞した。