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大地康雄

  • Yasuo Daichi
  • 出演/監督/脚本/製作/企画
本名
出身地 熊本県熊本市
生年月日 1951/11/25
没年月日

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略歴

熊本県熊本市の生まれ。本名・下地常雄。中学時代は沖縄県の石垣島で暮らし、沖縄県立八重山商工高校を卒業後、さまざまな職を経て、俳優・伊藤雄之助の付き人になる。1975年、日本テレビ『剣と風と子守唄』で俳優デビュー後、ニューヨークのアクターズ・スタジオで学び、79年の木下惠介監督「衝動殺人・息子よ」の犯人役で鮮烈な映画初出演を飾った。83年、千野皓司演出のテレビ朝日『深川通り魔殺人事件』に殺人犯役で主演し、本場で培ったメソッド演技を盛り込んだ入念な役作りで注目を浴びる。その姿が伊丹十三監督の目に留まり、「マルサの女」87のヒロインを支える国税局査察官役に抜擢。実直な中にもコミカルさが覗き、以降の大地のイメージを決定づける作品となる。さらに88年、森田芳光総指揮のオムニバス「バカヤロー!・私、怒ってます」の原隆仁監督篇「運転する身になれ」では、気の弱いタクシー運転手が身勝手な乗客に苛立ちを募らせるさまを、おかしみと悲しみを絶妙に織り交ぜて演じ、「マルサの女2」88などの演技とあわせて、毎日映画コンクール男優助演賞などに輝く。そんな懐の深い演技力はテレビドラマでも発揮され、足利尊氏の側近・一色右馬介を誠実に演じたNHK大河ドラマ『太平記』91ではギャラクシー賞個人賞を受賞。さらに、日本テレビ『刑事鬼貫八郎』シリーズ93~05では、頭脳は明晰だが糖尿病持ちで、妻の目を盗んでは甘味をつまむベテラン刑事を、貫禄を漂わせつつもお茶目に快演した。その間、主人公の妻の不倫相手を好演した滝田洋二郎監督「病院へ行こう」90、偽装結婚を斡旋する元刑事役が光る森﨑東監督「ラブ・レター」98などを経て、念願の企画だった南部英夫監督「恋するトマト」06では製作・脚本も手がけ、日本の農業問題を核に、真の愛に目覚める農家の長男を熱演した。久々の大河ドラマ出演となったNHK『江・姫たちの戦国』11での柴田勝家役の好演も光る。

キネマ旬報の記事

1989年7月上旬号

スポット・ライト:大地康雄