神奈川県横浜市の生まれ。父は俳優の緒形拳、母は元新国劇女優の高倉典江、兄も俳優の緒形幹太という俳優一家で育つ。和光高校を卒業後の1987年、劇団青年座研究所に入所。当初は裏方志望だったが、翌88年の杉田成道監督の映画「優駿」オーディションに応募、およそ800人の中から選ばれ主演デビューを飾る。同作では父との共演も果たし、キネマ旬報賞など各映画賞の新人賞を総なめにした。その後は、NHK『新橋烏森口青春篇』88、『翔ぶが如く』90、フジテレビ『北の国から'89・帰郷』『同・級・生』89、TBS『予備校ブギ』90などのテレビドラマで活躍。NHKの時代劇『荒木又右衛門』90では敵役の河合又五郎を果敢に演じきり、そうした実績から、92年のNHK大河ドラマ『信長』で主役の織田信長に抜擢されて、俳優としての風格を強固なものとした。映画はその後、井筒和幸監督の時代劇「東方見聞録」92に主演し、定着しつつあった優しい好青年像を打ち破るアクティブな演技を披露。ただし、撮影中に起きた死亡事故や製作会社の倒産などで劇場未公開(のちにソフト化)となったのは不幸な出来事であった。95年の市川準監督「東京兄妹」では“静”の演技を自然体で示し、大森一樹監督「わが心の銀河鉄道・宮澤賢治物語」96では、日本人なら誰もが知る偉人・宮澤賢治の知られざる生涯を人間臭く体現した。以降も佐藤純彌監督「北京原人/Who are you?」97、神山征二郎監督「郡上一揆」00などを経て、21世紀に入ってからも年1本ペース程度の映画出演が続く。2010年、70年代の人気アニメーションを実写映画化した山崎貴監督「SPACE BATTLESHIP ヤマト」で、木村拓哉演じる主人公の良きライバル・島大介を好演。翌11年のTBS『南極大陸』で再び木村と共演する。テレビドラマはほかに、TBS『愛するということ』93、『世界の中心で、愛をさけぶ』04、NHK『スキッと一心太助』99、『ファイト』05、日本テレビ『Pure Soul/君が僕を忘れても』01、フジテレビ『僕だけのマドンナ』03など。93年に女優の仙道敦子と結婚した。