愛知県名古屋市で生まれ、すぐに東京に移り、その後も父の仕事の関係で兵庫県、神奈川県、台湾などを転々とする幼少期を過ごした。本名・石田百合子。妹は女優の石田ひかり。高校1年でスカウトされたのち、1987 年にANAの沖縄キャンペーンガールに抜擢され、88 年には戦後沖縄の生活を描いて文化庁芸術作品賞を受賞したNHK のスペシャルドラマ『海の群星』のヒロイン役で女優デビューする。同年、森田芳光監督のヤクザ映画「悲しい色やねん」に主人公の恋人役で出演。続いて90 年には東映ヤクザ路線「極道の妻たち・最後の戦い」、北野武監督の「3−4X 10 月」、91 年には大ヒットドラマ『101 回目のプロポーズ』と、注目作への出演が続いた。その後しばらくは活躍の場をテレビドラマに移し、93 年の『彼女の嫌いな彼女』で連続ドラマ初主演。また人気漫画を原作とした『静かなるドン』や『美味しんぼ』などのシリーズもの(ともに94 ~96)にも準主役級で出演した。ここまで、清楚なお嬢様といった役柄が多かったが、97年に主演したTBS『不機嫌な果実』がひとつの転機となる。この作品では、結婚していながら複数の男性と不倫関係を持つ主婦を体当たりで熱演。それまでのイメージを覆す役柄で数多くのベッドシーンにもチャレンジし、大人の女優への脱皮に成功する。その一方で、94 年のスタジオジブリ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」を皮切りに、アニメーション作品にも声優として参加するようになる。97 年には当時の配給収入記録を塗り替えた宮崎駿監督の大ヒット作「もののけ姫」のヒロイン、サンとカヤの二役で声をつとめ、代表作のひとつとした。近年はNHK『外事警察』09、TBS『うぬぼれ刑事』10、フジ『はだしのゲン』07、『古畑中学生』08、テレビ朝日『忠臣蔵』10 など、貴重なバイプレーヤーとしての地位も確立。11 年には塙幸成監督のロードムービー「死にゆく妻との旅路」で主演。妹とともに立ち上げた個人事務所では社長の肩書も持つ。