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鑑賞日 2025/04/07  登録日 2025/04/08  評点 66点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/MOVIX仙台 
3D/字幕 -/-
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浅い脚本

 2025年の日本映画(WOWOW)。森沢明夫の小説「おいしくて泣くとき」の映画化作品。
 偽善とは何なんだろう。見せかけでもいいので善い行いをすることは間違ってはいない。そんな善い行いをした人がそれを隠れ蓑に何か悪行を働いたり、その行動が別の悪行を働くための誘導路になっていた時それを偽善と叫んでも構わないが、善行自体を偽善と糾弾するって何なんだ。家庭が貧乏なのは子供のせいではない、という考え方の一つの表現が子ども食堂なんだと思うが、それで解決する部分は小さいと言うことか。それにしても高校生の家出で夕花だけ保護されるのっていったいどうことなんだろう。あれは二人とも保護されるべき事案。あの時代でも父親の暴力は行き過ぎているので刑事事件案件ではないのかなあ。そして記憶を失った夕花はその後どうやって建築士にまでなったのだろう。バイトしながら大学へ行ったのだろうけど、記憶を失くした人に戸籍という身分証明はどうなされるのだろう。それがないと会社の登記もできない気がする。夕花の母親は全く出てこなかったけど、義父の夕花に対する暴力や姉弟の食事に関してどう対処していたんだろう。原作は読んでいないのでどこまでそれらを踏み込んでいたのかはわからないが、映画の方はそういったことは追及せず、とりあえずの不幸のみを表面的に見せるだけなので、特に感動などを得られることはなかった。工務店の女性が無償でと言ったところで結末が予見できたのもちょっと残念だった。

あらすじ:心也はサッカー部だったが膝の靭帯損傷で秋に手術予定だったが暇していた。夕花は諸事情で部活に入っていなかった。そのため学級新聞コンクールの係に二人が推挙される。心也の父はかざま食堂を経営していたが子供たちに無償の食事「こどもごはん」を提供すしていた。夕花は、母の再婚相手の義父に暴力を振るわれていた。食事をろくに摂れないこともあっり弟とときどきこどもごはんを利用していた。心也は病床の母親と授業参観の約束を交わしたが、その約束が守られることなく亡くなってしまったため、誰かと約束をすることが出来なくなっていた。同級生から偽善者の息子といわれいじめられたりもした。父は経営が苦しくともこどもたちに無償の食事の提供をやめなかったが、心也がそれで不幸になるならやめるというのだった。最近食堂に来なくなった夕花を心配し、お使いのついでに家を訪ねると、父親から暴力を振るわれているのに遭遇。友人の助けもあり夕花を助け出し、どこか遠くへ行きたい、海が見たいと言う夕花を、母との思い出の海へ連れて行く心也。流れ星に願いをこめられず、四葉のクローバーを探す夕花。どうしても見つからない夕花に、かつて母親が見つけて栞にしてくれた四葉のクローバーを渡す心也。大切なものは受け取れないと言う夕花に大切だから夕花に持っていて欲しいと言う心也。朝になり駅の待合で眠る心也にそっとキスをして警察に連絡する夕花。警察が来て夕花が保護され離れ離れになる二人。絶対また会えると約束をしてしまう心也。帰宅した心也は父親に、叶えられない約束をしてしまったと告白すると、母の日記を見せてくれた。叶えられない約束でも心也の笑顔が見たかったと書いてあるのをみて涙する。またこども食堂を継続するよう父に伝えるのだった。その後夕花から弟と家を出得てアルバイトをしている、いつか一緒に見たバルコニーのある家に住むのが夢だという手紙を貰う。しかしその後音信不通となる。手紙を出した後、夕花の義父に見つかり弟の居場所を言わなかったら殴り倒され頭をぶつけて血を流し意識を失くしてしまった。それから30年、夕花の弟も夕花を探していたが見つからなかった。心也は父親の店を改装しカフェとしていたが子ども食堂は続けていた。風の強い日、車が店に突っ込んできて営業ができなくなる。銀行の融資も受けられず営業再開の見通しが立たないとき、見知らぬ工務店の女性がやって来て無償で修理すると言う。そして修理が終わったとき、心也が夕花に渡した四葉のクローバーの栞などを母の持ちものだといって心也に見せる。夕花と叫ぶ心也に夕花という名前だったのですねという女性。その女性の母親は、以前の記憶を失くしていたが建築士になる夢だけは憶えていて建築士となり今の工務店を始めた。事故のニュースで母が大切にしていたかざま食堂の割りばしの袋や心也と記された栞をみて、何か知っているのではないかと思って訪ねたという。そして後日母親を連れてくる。心也はかざま食堂の名物で今も子供たちに提供しているバター醤油焼うどんを振舞うと、夕花はこれまでの心也との記憶を思い出し涙するのだった。そして心也からのバルコニーのある家に住んでますかという問いに夕花がうなづくと、夢が叶ったんだねと声をかける心也だった。