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鑑賞日 2025/04/11  登録日 2025/04/12  評点 68点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/イオンシネマ名取 
3D/字幕 -/字幕
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夢物語

 2025年のアメリカ映画。ロバート・リテルの小説「チャーリー・ヘラーの復讐(原題The Amateur)の映画化作品。この小説は1981年にカナダでも映画化されている。
 上司のムーアも悪いけどチャーリーだって悪い。仕事中にインクワラインとチャットしたり極秘ファイルを手に入れるのはありなのか。それをネタに上司を脅すのはありなのか。情報にアクセスし妻を殺した犯人を特定するまではいいけど、命令なしで犯人たちを葬るのはありなのか。上司の不正を長官にあげて、特定した犯人を捕まえることを進言すべきでしたね。そうすればあれだけの犠牲を払わなくて済んだんじゃないのか。仇討ちというのはある意味私怨、私刑なので物語としては留飲が下がるので共感が得られやすいのかもしれないが、現代社会では本来許されるべきことではない。しかも国の機関を使うなんてありえない。また高所のプールを破壊する際にその下の安全確保はしていたんだろうか。敵討ちのために関係ない一般市民を巻き込んではいけない。一方でインクワラインは独自に活動していたんだろうか。夫の方はもともとKGBなので極秘情報を手に入れることはたやすかったかもしれないけど、どうやって極秘情報を手に入れていたんだろう。チャーリーはシラーに拉致されることを予想していたんだろうけど、即殺されることは考えていなかったんだろうか。いわゆる不審人物なので港で手下にぼこぼこにされてお仕舞いということだってあり得たはずなんだけどなあ。原作は1981年のものなので世界情勢やハッキングなど現代にアレンジしなおしてはいるんだろうけど、夢物語の域を脱していないように感じられてしまった。何も考えずに見ていればまあ面白いんだけどちょっと振り返るととても残念な映画でした。

あらすじ:超優秀なCIA分析官のチャーリーは妻のサラと二人暮らし。サラがロンドン出張中にテロリストの人質となり射殺されてしまう。そのころチャーリーはインクワラインとのやり取りで暗号化された機密文書の解読をし、民間人を巻き込んだ自爆テロが実はCIA幹部のムーア主導のドローン攻撃だったことなどを知る。そのデータを局外に持ち出し隠しておく。サラの死を長官から告げられ、犯人特定に協力を申し出るが、それはこちらですると拒否される。捜査状況を知らされなかったチャーリーは独自に情報を収集分析して四人の犯人を特定しこれをムーアに提出。しかしムーアには既知のことだった。もっと大きな組織をあぶり出すためと言って放置しているのに業を煮やしたチャーリーはムーアによる機密文書改竄の証拠を見せ沈黙の条件としてCIAエージェントとしての訓練を希望。ヘンダーソン大佐の元トレーニングを受けるが射撃は至近距離でないと当たらなかった。一方爆発物作製は天才的だった。ヘンダーソンはチャーリーに銃を持たせ自分に銃口を向けさせ冷静でいられない様子を自覚させ、お前には人は殺せないと言い放つ。一方ムーアは部下に命じてチャーリーの周囲を徹底的に調べ上げ情報漏洩がはったりであることを突き止めるとヘンダーソンにチャーリー抹殺を指示。しかし盗聴を仕掛けていたチャーリーは既に逃走した後だった。ロンドンで花粉アレルギーでクリニックに通うグレッチェンに花粉を大量に撒きサラを射殺したシラーの居場所を聞き出そうとするが、花粉で苦悶するグレッチェンに情けをかけたとたん反撃され逃げられてしまう。しかし逃げる途中で車にはねられて死んでしまう。グレッチェンのスマホをこっそり失敬し情報を引き出すがそのスマホのためヘンダーソンに居場所を突き止められてしまうが小型爆弾でけむに巻く。インクワラインに協力を要請しマルセイユへ。インクワラインは元KGBでCIAの二重スパイだったがKGBに殺され妻がその後を継ぐ形で活動していた。インクワラインと共にマドリードへ。そこで屋上の空中プールで泳ぐミシカをプールの強化機構を破壊しプールを崩壊させて地上へ落下させ殺す。CIAはインクワラインの存在を見つけ二人は襲撃され、逃走途中でインクワラインは死んでしまう。シラーへの武器調達をしているエリックに渡す武器に爆弾を仕掛け、シラーの居場所を吐かせた後爆死させる。そしてロシアの港町で、シラーの運搬船の様子をうかがうことでシラーの部下に拉致されシラーの乗る船へ連れて行かれる。シラーはムーアとの関係を話し、チャーリーに銃を渡して自分を撃てと言うがやはりチャーリーは撃てなかったが、遠隔操作でシラーの船をフィンランド領海まで誘導しそれを通報していたため、沿岸警備隊とインターポールによって一味は全員捕まるのだった。そしてCIA長官が組織の透明性を高めると演説し、ムーアらは逮捕されるのだった。