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光る川
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2024年の日本映画。松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」の映画化作品。 1958年は昭和33年、東京タワーのできた年。そのころすでに山の民は紙芝居でしか語られないようになっていたのだろう。お葉と朔の話は江戸から明治にかけての頃の話かな。紙芝居屋はテレビが普及して廃れてしまったけど、そういえば水あめを売っていたなあ。10円出しておつりが5円か。子供の頃10円玉を握りしめて駄菓子屋へ行った気もする。身分違いの悲恋はいつの時代にもあるけど、その涙が洪水の原因だったとは。ユウチャの父では果たせなかった朔とお葉の恋の成就がユウチャによって成されたのは、時代のせいなのかなあ。当時にしては立派な橋が架かっていたあの集落は、かつてはそれなりに栄えていたのかなあ。現代に撮影しても半世紀以上前の情景が手を加えずに再現できる山や自然が残っていたことにちょっと驚きました。日本もまだ捨てたもんじゃないのかもね。しかし「はじめてのおつかい」より過酷な試練を課されたユウチャが黙々とそれをこなしていく様は当時の子どもたちがいかに元気だったかを教えてくれました。確かに時々帰ってこなくなって村人総出で探し回ることもあったのでしょうが、山仕事や野良仕事で忙しいなか、子供にかまってばかりもいられなかったでしょうし、山に入っていくことだって危ないからやめろとは言うものの、みんな冒険に行ったんだろうなあ。ちょっと懐かしかったし、恐ろしい自然もなんか優しく感じられた。 あらすじ:1958年夏、山間の集落に住む少年ユウチャは山で働く父、病に臥せる母、祖母と暮らしていた。父たちは経済成長の波に乗って奥山の木を切り金に換え豊かになろうとしていた。ある日紙芝居がやって来て、ユウチャは村に伝わる話を聞く。父と弟と里に暮らすお葉は、山の民木地屋の朔に恋し、木地屋が移動する満月の日に青い渕で待ち合わせの約束を交わすが、木地屋の長は朔に、里の娘が山の民の生活についていける筈はないし朔が残るのなら伝えた技を置いて行けと腕を斬り落とすことを要求し、朔は泣く泣く出発する。約束の合図もなく置いていかれたお葉は渕に身を投げたのだった。その後ユウチャは川上から流れてきた木の器を拾う。祖母は、これはお葉の思いで、器に里の水を汲んで青い渕に返せば禍が起こらないという言い伝えがあることを告げる。父は台風が近付いているのにそんな危ないことはするなというが、祖母はかつて父が同じことをして病弱だった私がこんなに長生きしている言い返すのだった。その夜、祖母はユウチャに支度をさせ通るべき道を教え送り出す。ユウチャは台風が近付く中隧道を通り洞穴を通り青い渕にたどり着き水と器を返す。すると崖上にお葉が現れ身を投げる。一方朔は腕を斬り落とす覚悟をして木地屋の長に残る意思を伝えると木地屋の長は印の腕輪を斬り落とすのみで朔を残らせた。渕にやってきた朔はユウチャの指さす方に向かい崖下で気を失っているお葉を助けるのだった。ユウチャが里へ帰って来ると台風は逸れ、病に伏していた母が迎えに来るのだった。そして父は奥山の伐採を再考するのだった。
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