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鑑賞日 2025/04/25  登録日 2025/04/26  評点 67点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/フォーラム仙台 
3D/字幕 -/字幕
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しっかり演じられていました

 2023年のアメリカ映画。ニューヨークのシンシン刑務所における実話の映画化作品。舞台演劇を通じて更生をめざすプログラムRTAの公演が成功を収める。RTAに欠員が生じたため参加希望者を募り、主要メンバーのディヴァインGはマイクマイクとともに希望者のひとりディヴァイン・アイに会いに行く。ディヴァイン・アイを新たなメンバーに迎え次の演目を決める段となり、ディヴァインGが書いていた台本が推薦される中、ディヴァイン・アイは喜劇がいいのではないかと提案し皆の賛同を得る。それぞれが思い思いのシチュエーションやキャラクターを述べると、演出家のブレントが全部ごちゃ混ぜにしたタイムトラベル物の台本を仕上げてくれた。その練習をしていく中で、ディヴァイン・アイの苦悩などをディヴァインGがほぐしていく。しかしディヴァインGの真犯人の告白による再審請求が告白者死亡のため裏がとれないと言われ却下され、親しくしていたマイクマイクが脳動脈瘤破裂である日突然死んでしまう。ステージ衣装でのリハーサルでディヴァインGは荒れてしまいめちゃくちゃになる。今度はディヴァイン・アイがみなの賛同をとりつけディヴァインGの復帰を促す。遅延していたステージ発表は大盛況を治め、ディヴァイン・アイは保釈が認められ出所。その後何年か過ぎディヴァインGが仮出所するとそこにはディヴァイン・アイが迎えに来ていたのだった。
 ディヴァインG、マイクマイクそして演出家のブレント以外は本人が本人役で出演していた。RTAに参加する人の演技経験とかわからんけど、少なくとも映画出演者たちはかなりしっかりしていたように思えた。特にディヴァイン・アイ(クラレンス・マクリン)は本物の役者のようだった。刑務所の個室は狭く庭だって高い塀に囲まれているけど、建物の窓からハドソン川が見え、そばを通る列車の音が聞こえてくる。しっかりとした閉鎖空間なんだけどシャバがすぐ手の届くところにある感じがまさにRTA(Rehabilitation Through the Arts)プログラムそのものを表しているようにも思いました。マイクマイクの死は予想外だったけど、医療体制が整っていない刑務所では早期発見早期治療てなことは無理だろうからある程度は致し方ないのかな。囚人たちの感想も、自殺でもなく誰かに殺されたのでもない彼の死をどう受け入れたらいいのかわからないだったような気がした。しかしそれ以外の流れは大体予想通りだった。ディヴァインGの感情爆発はここまで頑張った末のことなのでどう収拾するのだろうと思っていたけど、ディヴァイン・アイがうまく説得してましたね。途中出所した人がプログラムミーティングに参加していたけど、ああいうことってアメリカだとあり得るんですね。日本だと職業訓練ぐらいしか思い当たらない更生プログラム。更生支援は出所後なんだけど、出所後は就職なども大変でなかなか難しそう。日本でも芸術を通した更生プログラムが実践できるようになると面白いかも、なんて思ってしまった。