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鑑賞日 2019/10/05  登録日 2019/10/11  評点 100点 

鑑賞方法 映画館/神奈川県/TOHOシネマズ川崎 
3D/字幕 -/字幕
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悲劇を喜劇に変えるコメディアン

バッドマンの宿敵ジョーカー誕生秘話を描いた作品。
今回は最近のDC路線から『ダークナイト』に戻った感じです。
70年代のコメディ映画を感じさせるクラシカルなタイトルロールもセンスの良さを感じます。

DCの魅力のひとつは、悪役にあると思います。
特にバッドマンに関しては、人間がヒーローとなっている。
ジョーカーを演じるホアキン・フェニックスの悲哀溢れる表情に、ヒューマニズムを感じずにはいられない。

白闇の中で踊る姿は美しく、悪役というにはピュア過ぎる。
また、悲しみを隠すために口角を指で上げて笑おうとする。
笑われるのはいいが、笑い者にされるのは許せない。
道化師でありながら、人として高貴なものを感じました。

人を笑わせるコメディアンを目指すアーサー。
病気の性でいつも笑っているのが逆に切ない。
そんなアーサーが戦うのは理不尽な社会や権力者。
弱者の代弁者のようなジョーカーに、魅力を感じずにはいられなかった。

殺伐とした世の中で、誰も気づかない存在。
街中の人間がピエロの面を被るのは、誰もがジョーカーになり得るからだと思います。
決してゴッサムシティの話ではなく、現代社会へのメッセージにも思える作品でした。