中流時代

極めてのどかで、あり得ないような話しだが、そこに夢があるシリーズだ。多忙だった加山雄三さんは時々不機嫌そうな表情を示すが、のちに「このシナリオには無理がある」と思って、それが表情に現れたと言っている。

しかもこの映画では、実の父親である上原謙さんとも共演し、上原さんはハワイの日系企業の社長さんだ。

映像としてはハワイの美しい風景と、ヨットレースのシーンは見もの。迫力ある映像が展開される。

下町の料理屋のせがれ若大将と、大金持ちの息子青大将という対立関係にあるふたりがお互いにカンニングでかばい合ったりするシーンも不自然ではあるが、全国中流時代という意味においてはこの隔たりもおめこぼしするべきだろう。

いまの世の中でこのような関係が存在するとはとても思えないが、友情とか恋愛に垣根がないことを感じさせる爽やかな作品だ。