ミュージカル仕立てのホームドラマ

本作が初めての映画化と思ったが、この作品の六年前に二本映画化されている。江利チエミがサザエさんを演じるということから、サザエさんはジャズが好きという設定が与えられている。劇中にはダークダッグスと共に歌う場面も付け加えてあり、音楽映画ともいえるかもしれない。またワカメ役の松島トモ子も歌う。

若かりし仲代達矢も出ているし、まだ下積み時代の白川由美も出ている。白川は同年の「空の大怪獣ラドン」で主役の相手役もしているから、この後彼女を売り出そうということになったのだろう。

題材がホームドラマのせいか、キャラクターの外見が違っていても、原作のギャップはほぼない。また自分は原作漫画よりもテレビアニメになじみがあるが、それと比べてもギャップはなかった。だから原作が漫画であることのハンデはないわけだし、江利チエミだからミュージカル場面も入れて娯楽映画としてよい出来と言えるだろう。

しかし、私はホームドラマはあまり好きじゃないんでとても面白かったとは言えない。映画で描かれる描写
はリアル「三丁目の夕日」だからそこは見どころ。したがってこの後の作品は観ようか観まいか迷う。
だがレンタルショップではなく、サブスクなら何本観ても定額だから同じなので観ることになるだろう。