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異端者の家
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モルモン教の布教活動をしている二人のシスターが訪問先の主人(ヒュー・グラント)に監禁され、彼の独善的な宗教観によって追い詰められていくスリラー映画。本来なら男性だけの住居には入らないのが教会のルールだが、中で妻がブルーベリーパイを焼いていると聞かされ二人は疑うことなく入っていく。ヒュー・グラントの物腰が柔らかいので逆に怖さが増幅。このあたりはキャスティングで早々に1本取られた感じ。 広い屋敷の2階から響いてくる足音、雨から雪に変わっていく静寂、この2つのコントラストが絶妙だった。唯一絶対の宗教にたどり着いたとうそぶく主人が延々と話す信仰と不信仰など少々退屈なやり取りもあったけれど、シスターたちが2階に通されて地下に続く2つのドアの前で究極の選択(神を信じるか信じないか)を迫られるエピソードあたりから本作は加速度的に面白さを増していく。携帯の電波が届かず外部とコンタクトできない状況でシスターたちはどうやって脱出していくのか?後半の興味はこの点に絞られる。 外に置いた自転車で後から探しに来たエルダーが気づくはずと思っていたが、ヒュー・グラントは先回りして自転車を隠していた。つまり外部からの救助は絶望的。そうなると助かる方法は自らの手で主人を倒すしかない。魔法の下着という言葉を合図にして有り合わせの武器(先が尖った温度計?)で反撃に出る段取りだったが直前にカッターナイフで一人が首を切られてしまう。ヒュー・グラントは本気で復活の奇跡を信じていたが不発。腕の中のマイクロチップのせいだと言っていたが実は避妊具だったという説明になっていた。この点はよくわからなかった。何故二の腕なんかに避妊具を埋め込んでいたのだろう。 毒入りパイを食べて死んだ老女が目の前で生き返った奇跡を奇術だと看破したシスターはさらに地下に続く穴倉ですり替えられた老女の死体を見つけて自説を証明。その先には檻に入れられて支配されている大勢の女性たちが。ヒュー・グラントの言っていた唯一絶対の宗教とは支配だったのだ。まるでペットと接するかのようにジョウロで水をやる行為が悪趣味に思えた。 ナイフで腹部を刺されたシスターは部屋の模型から脱出路を見つける。追ってきたヒュー・グラントにとどめを刺されそうになった次の瞬間、首を切られて死んだはずのシスターが生き返って助けてくれる。これこそが奇跡、信じる者は救われるという普遍的なメッセージだった。重苦しい作品の最後には一羽の蝶が登場。脱出に成功したシスターの手に一瞬止まって姿を消した。中盤で夢か現実か分からない例えとして胡蝶の夢の逸話が出てきたが、蝶が消えたことで現実であると刻印されたのだ。実に粋な幕切れでした。
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