時代にそぐわないパッケージング

マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ主演による、20世紀初頭に実際に起きた事件を描いたクライム・サスペンス映画。

石油を発掘して豊かになったインディアンのコミュニティーに、白人が少しずつ入り込み、彼らを支援するふりをして支配していくという話。テーマは面白い。雰囲気は抜群、装飾や演出も見事だけれど、やはり長すぎる。上映時間206分の大作である。206分をかけるほどの物語なのだろうか？　という率直な印象は持ってしまう。映画の長さそのものが問題なのではないが、内容とのバランスは大事だ。雰囲気に浸りきれればいいけれど、緊張感や物語の起伏がそこまで続くわけでもなく、かなり眠くなってしまった。時代にそぐわないパッケージングだと感じる（もちろんスコセッシ監督なので、あえてそれをしているのだろうけれど）。テレビシリーズでもよかったのでは？

物語の真相は最後まで見てもいまいちよく分からない。少なくともディカプリオが本当にインディアンの妻を心から愛しているようには見えなかったけどね。デ・ニーロの存在感は抜群だけれど、物語的にはもう一山ほしかったところ。