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鑑賞日 2025/03/27  登録日 2025/03/28  評点 85点 

鑑賞方法 映画館/神奈川県/横浜ブルク13 
3D/字幕 -/-
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漂いつつもがいている感じ

心地よかった。
坂本裕吾監督というと、アクション映画、と思い込んでいたけど、そんなことなくて、こういう「普遍的な青春映画」もきっちり仕上げてくるんだ、と驚きつつ、大満足。

形式的には、冒頭のヒロイン(の片割れ=久保史緖里=入巣さん)の独白が、冒頭のシーンを担保しつつ、きっちりラストの大盛り上がりに接続するあたりの「円環」が最後にズキンときた。
こういうの好きなんですよ。
伏線回収というのとは少し違うんだけど、きちんとけじめをつけてるみたいで、気持ちいい。

前半はモラトリアム青年たちが、いかにもモラトリアムとして何をしていいやらよく分からん、ともがきながらも、かつての(70年代とか80年代とかの)「もがき方」とは違って、前を向いて必死にもがいていると言うよりも、クラゲみたいに漂いながら、ぼんやり傷つき、ぼんやりもがいている、みたいな感じが、2010年代以降の青春をみごとに描いているなあと思いました。
(考えてみれば監督の代表作「ベイビーわるきゅーれ」もそういう傾向がありましたね)

例によって、登場してくる男たちはみんなほとんどクズかクソ野郎という世界観の中で、弱々のシスターフッドが、最後に炸裂する。
いや、その「炸裂ぶり」が楽しいのはもちろんなのだけれど、なかなか炸裂できない人生を漂って生きている人々(つまり我々みんな)を否定せず、かといって持ち上げもせず、「ま、がんばんなよ」と軽くうちわで扇いでくるくらいの応援の仕方を感じる映画でした。
だから心地よいのです。

あと、心に響く言葉がいくつかありました。
「あんな奴に脳の容量取られるだけ損だって」
「限界分かってて努力するのって大変じゃないすか」
うん、そんな感じで生きていきたいなあと思って見終わりました。