男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

鑑賞日 2025/01/07  登録日 2025/01/10  評点 90点 

鑑賞方法 映画館/広島県/イオンシネマ広島西風新都 
3D/字幕 -/-
いいね!レビューランキング -位

権力の恐ろしさ

 観終わって、ただただ権力は恐ろしいと思いました。松重豊演じる川田刑事部長は「真実なんてどうでもいい」と言い切ります。組織の存続と身の安寧が大事なのでしょう。もし鏑木が護送車から逃走しなかったら、もし又貫刑事が純粋な正義感を持ち合わせていなかったら、この事件の真相は闇に葬られていたでしょう。何かの拍子に自分が「冤罪」に巻き込まれたとしたら、と考えると、恐ろしさに身がすくむ思いをしました。  

 「なぜ逃げた?」との又貫刑事の問いに鏑木は「生まれて初めて酒を飲んだ、友だちができた、好きな人ができた。だから、もう少し生きたいと思った。この世を信じたかった」と答えます。この言葉は重い。警察はそんな彼の全てを奪おうとしたのですから。

 追い詰められながらも、必死で真実を追い求めた主演の横浜流星も好演。でも、彼を信じて最後まで寄り添った沙耶香役の吉岡里帆も素晴らしかった。判決を聞いた鏑木の表情は、忘れられません。