百薬の長かキチガイ水か

家庭で妻とすれ違いをしているさえない高校教師のマーティン（マッツ・ミケルセン）は同僚の誕生会で、友人が言った“血中アルコール濃度を０．０５％に保つと、常にリラックスした状態になり人生が豊かになる”という理論を聞いて友人たちと試してみる。もちろん勤務中（授業中）も酒を飲んでいるが、節度を守り生徒たちの受けもよくなった。
同僚たちは研究と称して血中濃度の限界を試すようになり、最後にはほぼアル中になってしまう。そして家庭は崩壊し、友人のトミーは海で死んでしまう（自殺か事故か分からないが）。
卒業式の日、多くの生徒を送り出し、マーティンたちも精神的落ち着きを取り戻し、妻と仲直りしていく。
呑んでいる場面ばかりであるが、マーティンの愁いに満ちた表情から活力のある表情まで演技的な楽しみは多い。友人たちと羽目を外し、へべれけになっていくのも危ういけれどシーンとしては最高。
出演者は少ないが、いずれも見応えのある演技者だった。