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侍タイムスリッパー
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これはいい!期待もしてたけど、見終わったときの気持ちよさが最高です。新旧の映画人のみなさんと、映画を愛する人たち、そうでもない人たち、つまり人類全体に愉快さとあたたかさを届けてくれる映画でした。 設定を聞くだけで可笑しいけど、山口馬木也のたたずまいが、あまりにも侍すぎて、まったく違和感なくこの世界に入っていけます。この貫禄。 過去のさまざまな作品を思い出す部分がたくさんあるのが、遊び心を感じさせて楽しい。落雷でタイムスリップするのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だろうけど、タイムスリップのしかたは何となく「テルマエ・ロマエ」を思い出してしまう。 最近、時代劇ドラマを見ると、若い主役級の俳優さんたちに特にコスプレ感が強くて、殺し合いをしているという殺気や泥臭さがなくなってキレイな感じがする…と思うことがあります。自分だけでなく家族も誰も着物を着たことがないし、子どものころにリアルにチャンバラごっこをした世代でもないんだろうなと思う。言うほど長く生きてるわけじゃないけど、昭和初期~中期あたりの白黒映画を見ると、くたびれた着物、乱れたちょんまげ、血走った目、地面に踏ん張る強い脛、崩れた構えから唐突に振り回す刀…そういう、狂人が本気で殺人の道具を振り回しているようで怖かった。(黒澤映画の三船敏郎を思い出すとわかりやすいかも)もうそういう、血の匂いがしてくるようなドラマは作られないのかなと思っていたけど、この映画の侍たちは、現代の役者さん(役の人たち)も含めて、そういう土着感があって嬉しい。 いい映画には、すごいCGも有名な俳優や監督も必要ない。と改めて実感できてうれしい気持ちです。この映画を作ったみなさん、ほんとうにお疲れ様でした。
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