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鑑賞日 2025/04/23  登録日 2025/04/23  評点 85点 

鑑賞方法 映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
3D/字幕 -/字幕
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ウィリアム・A・ウェルマン監督の佳作

シネマヴェーラ渋谷「プレコード・ハリウッドⅡ」にて鑑賞。
勝手に3本立ての2本目。

対照的な二人の男が、それぞれの道を歩んで結局は……というドラマを描いたウィリアム・A・ウェルマン監督作。

冒頭いきなリ、リアルな戦争シーンで始まるので「えっ、これ戦争映画なの?」と思ったら、「二人の男の基本的な生き方スタンス」を描くために描かれた戦争場面だった。
第一次世界大戦の激戦地で、トム(リチャード・バーセルメス)は勇ましく敵陣を爆破したり敵軍の士官を捕虜にしたが重傷を負ってしまった。そのため、臆病者の兵隊=ロジャー(ゴードン・ウェストコット)が、死にかけているトムから敵軍士官を捕虜として連れ帰ったことから勲章もらうわ昇格するわ…で、臆病者が出世して金持ちとなる。
死にかけていたトムは怪我したものの生きていて、怪我の痛み止めとしてモルヒネを使うことになり、モルヒネ中毒になってしまう。
帰りの船で再会するトムとロジャー。ロジャーは良心の呵責を抱えるが、トムはロジャーとの出来事を暴露する気はなかった。
帰国後、トムはロジャーの父親が経営している銀行で勤務したが、トムのモルヒネ中毒が医者から通報されて銀行は退職させられて、麻薬患者療養所に送られる。数年後、トムはモルヒネ中毒から脱して退院するが、父母は亡くなっており、シカゴに行って安食堂の一家に下宿することになった。この下宿、窓を開けると目の前が隣接ビルの壁だったので一度は断ったトムだったが、同じ家に下宿している女性ルース(ロレッタ・ヤング)に一目惚れして下宿することに……(笑)
そして、無職だったトムはルースが働く洗濯工場に勤めることになり、顧客開拓の才を認められて重職に就く。二人は結婚して一子をもうけるが、自動洗濯機が発明されてしまったことから洗濯工場の従業員大量解雇・暴動・妻との別れ・収監などなど辛いことがトムに降りかかるが……といった内容盛りだくさんの映画。

全体的に見ると、「無欲だが人々のために尽くす男」としてのトムの生き様を描いた映画だった。
それを如実に現わしているのが、トムの息子「パパは偉いんだよね?」⇒食堂女性「ええ、全て他人(ひと)に与えて自分は取らない、そんな偉いパパなのよ」というやりとりである。ここ、凄く感動した。

ウィリアム・A・ウェルマン監督による佳作。