スリラー　ショートショート

　ブラックコメディふうな6つのショートショートを繋げたオムニバス・スリラー。オムニバス形式の場合それぞれの話に関連性を持たせる場合もあるけれど、本作の場合はそれぞれの結びつきはそれほど強くなさそうである。冒頭のエピソードに登場したチェ・ジウは別のエピソードにもしっかり顔を出してサービスを振りまいていたけれど。
　いずれの話にも死がついてまわるブラックなエピソードで構成されていて、この辺は今の殺伐とした韓国社会（実際にそうなのかどうかは知らない）を皮肉っていたのかも（元ネタは日本らしい）と思ったけど、そちらの主張はそれほど強くなく、それよりも一風変わった切り口のスリラーを撮りたかったということではないかと察する。
　最後に登場するハ・ダインも他のエピソードに絡んでいるけれど、これが一番尺も長く、社会の底辺で不平不満を一身に引き受けたようなコンビニ店員が全体のトーンを決めていたような印象を受けた。彼女は第5話の覗き魔を影で操っていたし。
　その覗き魔もそうだけどいずれの話にもクスグリが用意されているので、それほど深刻にならずに気軽に楽しめる作りになっていたのが良かった。