極彩色絵巻

　インド製スーパーヒーロー映画。やはりそれらしく2時間半強の長尺、全編歌と踊り満載の極彩色絵巻物語・・・といった仕上がりである。素早いカット割り、テンポの良さなどなど観客を飽きさせまいとする工夫はさすがだとは思うけど、アクションをここまで長く引っ張る作劇はやはり自分の好みではない。途中で何度も瞼が落ちそうになった。でもマサラ・ムービーファンにはこのくどさがたまらない味なのでしょう。
　ヴィラン役のマイケルの造形にはあきらかにバットマンが投影されている。そのダークヒーローぶりはよく似ているけど、あの葛藤は彼にはない。典型的なヴィランとしてのキャラである。
　それに対するのがインド神話に登場する武神ハヌマン由来のヒーロー。つまりアメコミスターを懲らしめるインド・ヒーローという構図になっている。ハリウッドがなんぼのもんじゃいとドヤ顔をしたいわけではなかろうけど、こうした作劇がインドの人々に受けるであろうことはよくわかる。
　ラストシーンに至ってやれやれと思ったら、さらに続く・・・と出る。どっと疲れがでた。