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このろくでもない世界で
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経済的にもくすんだ地方都市。政治と裏社会がウラで繋がっているような腐敗臭が漂う街。そんな街で貧困やDVにより行き場のない青年の足掻きぶりがシリアスに描かれていく。若者の足掻きと言っても青春ドラマのそれではなく犯罪映画のトーンに限りなく傾いている。 最近の韓国ドラマでは前半をユーモア、後半に感動エピソード・・・といったパターンが多かったように思うが、本作は最初から最後まで一貫して暗いトーンで貫かれている。かつてはこうした作劇が韓国映画の主流だったと思うけど。最近ではこうした作劇は珍しくちょっと懐かしく感じた。 ただストーリーの方は色々盛り込もうとしたせいか説明不足やわかりにくい側面もあった。特に主人公ヨンギュと犯罪組織の幹部のチゴンとの密な関係がやや不可解。最初は実の兄弟という設定なのかと勘違いしてしまう。それぐらいチゴンはヨンギュを目にかけている。ヘマをすれば自分の爪を抜く、借金も肩代わりしてやる・・・。 それだけ面倒見がいいのはどうやらチゴン自身の過去の記憶からきているらしい。ヨンギュをひと目見た時から自分と同じ匂いを感じ取ったということなのだろう。チゴン役のソン・ジュンギがクールでいながら奥行を感じさせる演技で説得力を持たせていたおかげでそれほど不自然には感じなかったけれど、ラストの二人の格闘とその結末はやはり唐突に感じられた。チゴンもこの世界にうんざりしていたのかもしれないが。 主人公自身のキャラもどうも一定しない。妹の復讐のために暴力事件を起こすくらいなのに親父(それもたいして強そうでもないただの酔っぱらい)のDVには逆らえないというのも絵的に説得力がない。彼の行動はその後も一貫しておらずシナリオのまずさが目立った。 義理の妹とこの街から逃げるようにバイクを飛ばすラストシーンは青春ドラマならばさしずめ再出発のシーンとして明るい締めくくりとなるのだろうけれど、本作の後味にそんな明るさは微塵も感じない。彼らが飛ばすその先も結局おなじ「ろくでもない世界」が続いているのではないかと思えて。最後まで重苦しい映画だった。
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