前半・中盤は全く面白くない

2025年1月7日に鑑賞。DVDにて。1時間53分17秒。パラマウント映画。一部、フランス語、イタリア語。

一種の音楽映画である。9回歌われる。ビング・クロスビーが主役なので歌わせない選択肢がないのでしょうが、製作も兼ねるフランク・キャプラの資質と合っているのか？ビング・クロスビーは真面目すぎで、色気がないよ。ユーモアも少ない。歌だけか？

脚本が予定調和で前半・中盤は全く面白くない。物語が全然弾まない。脚本のひねりがないよ。

面白くなるのは、ラストの20分間だけである。従妹のウィニフレッドが登場してから。地味なウィニフレッドのAlexis Smith が変身し華やかになるところが見所です。エミーとウィニフレッドのレスリングの闘いも見ものです。エミーが3回投げ飛ばし、地面に腹這いに押さえ込んだウィニフレッドの両脚を十字に固める。

開巻のパリの孤児院で歌うAnna Maria Alberghetti（1936年生14歳）の歌声が素晴らしい。13歳でカーネギー・ホールで歌っているらしい。彼女が歌う場面は（4分20秒）ある。長い。アップも多い。この1シーンにしか登場しない。

ルイ・アームストロングが機内での歌のシーンで登場します。歌とトランペットを披露する。この1シーンのみに出演する。ドロシー・ラムーアもノン・クレジットで出演している。たぶん、機内でクロスビーと一緒に歌う女性か。

エマデルがアメリカからパリに「LPレコード」を送る。これが「LPレコード型ホログラム」である。ピートがレコード・プレイヤーで再生する。エマデルの声が流れて3D画像のエマデルが話しかける。声と映像の手紙である。

ピートの新聞記事『戦争孤児ロベール・デュラック　WANTED-A MOTHER！』→パリの施設に26人の戦争孤児がいる。

ボビーとスージーの出生届を苦労して得たピートは、エミーとの約束より数か月遅れて帰国する。係官「5日以内に結婚しないと養子縁組は取り消される。子どもはフランスに送り返される」→エミーは4000万ドルの資産を持つ大富豪で上司のウィルバー・スタンリーと婚約した後だった。

新聞『Emmadel Jones　Wilber Stanley　Betrothal Announced　Scion of Old Boston Family to Wed Secretary』

[疑問点]
・不動産の住宅のファイル。ピートが、既に『RENTED（入居中）』の物件のファイルのタイトル表示をスライドさせて『AVAILABLE（空き）』にして、エミーに渡した。エミーが「契約書と初月の家賃の領収書」をピートに渡す。→その家に行ったらとっくに住人が住んでいてピートともめる。ピート「二重契約だ。悪徳不動産会社だ！」→これはありえないでしょう。「売約済み」じゃなくて「入居済み」だ。そんな不動産会社ありえないよ。

・ラストでエミーがピートと結婚する原因は、ピートがFBIに捕まって子供2人がフランスへ送還されるからである。ウィルバー「私の養子にする。手続きは終わった」という。じゃあ、エミーはそのままウィルバーと結婚し子供2人を育てればいい。ここは無理やりなエンドである。

手錠されたピートから子供たちが離れない。エミー「他の人と結婚するのを子供たちに見せられないわ」スージーとボビー「ピートがお父さんだ！」結婚式のMC、ウィルバーに「TVで中継されてますよ」ウィルバー、エミーへ「僕では駄目だ」ウィルバー「ピートと結婚するしかない。本気だ」★これはどうでしょう。ウィルバーが早々に諦めた。

ウィルバー「ピート来てくれ。花婿が必要だ」ウィルバーが席の判事を呼び連れて来る。エミーの母「エミー、やめて！」ウィルバー「手錠を外してくれ」→エミーとピートが判事によって式を挙げる。FBI捜査官は記者仲間の偽者だった。

スージーの上の歯を糸で縛って抜く。エミー「歯を庭に埋めれば願いが叶うわ」子供たち穴を掘って埋める。

画面では、製作・監督：Frank Capra、脚本：Virginia Van Vpp、Liam O'Brien、Myles Connolly、原作 "You Belong to Me"：Robert Riskin、Liam O'Brien、撮影：George Barnes、美術：Hal Pereira、Earl Hedrick、助監督：Arthur S. Black、特殊効果：Geordon Jennings、Paul Lerpae、Process Photography：Farciot Edouart、Set Decoration：Emile Kuri、衣装：Edith Head、編集：Ellsworth Hoagland、Dance Direction：Charles O'Curran、Makeup Supervision：Wally Westmore、音楽監督：Joseph J. Lilley、Special Orchestral Arrangements：Van Cleave、New Songs by：Jay Livingston、Ray Evans、"In The Cool，Cool，Cool of The Evening"：Johnny Mercer、ホーギー・カーマイケル Hoagy Carmichael、Associate Producer：Irving Asher である。

出演は、Bing Crosby [1903年生47歳]（ピート[ピーター]・ガーヴィー/新聞記者/3年前恋人エマデルから逃げてパリへ/アイルランドのケリー県出身）、Jane Wyman [1917年生33歳]（エマデル[エミー]・ジョーンズ/ピートの元恋人/ウィルバー・スタンリーの秘書）、Alexis Smith [1921年生29歳]（ウィニフレッド・スタンリー/ウィルバーの従妹/2000万ドルの資産あり）、Franchot Tone（大富豪ウィルバー・スタンリー/不動産業）、Introducing Anna Maria Alberghetti（1936年生15歳・少女テレサ）、James Barton（父ウィリアム・ジョーンズ/捕鯨船の船長）、Robert Keith（ジョージ・デグノン/「モーニング・エクスプレス」誌編集長）、Connie Gilchrist（母キャロル・ジョーンズ夫人）、Jacques Gencel（孤児少年ボビー[ロベール・デュラック]）、Beverly Washburn（孤児少女スージー）、（ウォルター・ゴッドフリー/ボストン交響楽団の指揮者/妻とパリの孤児院へ）、（キュジック/25年移民局に勤務/ポーランド人？）ほか。