男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

鑑賞日 2025/04/17  登録日 2025/04/17  評点 - 

鑑賞方法 購入 
3D/字幕 -/字幕
いいね!レビューランキング -位

こちら、監督:マリオ・ソルダーティ、主演:フォルコ・ルリ、ピエトロ・ジェルミ「フランスへの逃亡 Fuga in Francia」(1948)のレビューです

2025年4月17日に鑑賞。DVDにて。1時間39分48秒。スタンダード・黒白。FILM LUX。一部、フランス語。評価=85点。IMDbでは[7.3]である。

これは、なかなかの秀作である。脚本に巧みに複数の伏線が張られている。

元ファシストの幹部の戦争犯罪人で指名手配されている男が、山の国境を越えてフランスへ逃亡しようとする。寄宿学校にいた息子少年が止むを得ず同行することになる。一方、息子を亡くした兄と弟も国境を越えようとしている。

トリノ(モンテカリエーリ)→ウルクスの宿→イゼール峠→(フランス)オート・ザルプ県→グルノーブルへ。

ファブリッツイオがフランス語で1等賞になり、ジュール・ヴェルヌ著「グラント船長と子供たち」(フランス語版)を貰い読んでいる。トーレが息子の本の「1等賞のファブリッツイオ・トーレへ」という献辞のページを破って捨てた。ファブリッツイオがモンテカリエーリの市で買ったナイフ(栓抜きつき)

列車の車掌「(トーレへ)身分証を。警察の印がないな」「(チュニジアへ)切符がないと2倍の料金だ」兄テンビエンが「こいつの料金を払ってやろう」とカネを出す。

ウルクスの宿。客「さっき駅でトリノから来た男が、町の書記ジャブレの家を尋ねた。奴は撃たれた。太った男は?」

紙に歌の歌詞『あの人はいつ戻るのか Ma Quando Tornera...』→ピエリーナがトーレから貰った1万フランの札の間に歌詞の紙を挟んだ。ジーノが自分のマフラーを「これを形見に。ここに残りたいけど。2年待ってくれ」→ピエリーナがサンドイッチを新聞で包んでジーノに渡す。

トーレ「妻は死んだよ。君を気に入っていた。(トーレの100万リラの懸賞金)カネは警察が山分けさ。君にカネはない。いつか私が戻ったら(また、今までの地位になれると)2週間後に望む金額を送ろう」→引き出しの中のジーノのマフラーでナイフの血を拭い、ベッドの上に置いた。ピエリーナの財布のカネ、自分がピエリーナにやった1万フランのカネを取る。

トーレと息子が宿で食料を貰い「散歩に行く」と、山の国境へ向かう。先に出発していた兄テンビエンと弟ジーノ、列車に無賃乗車したアコーディオン弾きチュニジアと同行し、避難小屋に入り吹雪が去るのを待つ。

兄テンビエンが少年の痛む足を四角い空き缶にお湯を入れて、両足をお湯に漬けてやる。

ジーノが新聞を捨ててサンドイッチを食べる。床に新聞。

アコーディオンを弾きながらチュニジアが床の新聞のトーレのヒゲ顔の写真を見て、トーレのヒゲのない顔を見る。(回想)列車に乗ろうとしたチュニジアが窓ガラス越しに見たヒゲ顔のトーレを思い出す。父トーレが床の新聞に気づく。トーレが曲に合わせながら歌い、立ち上がって床の新聞を取ろうとする。チュニジアが靴で新聞を踏む。皆が歌う。トーレが歌いながらチュニジアの背後に回る。チュニジア「列車ではヒゲがあったな」兄拳銃を出す「息子の仇だ。お前が命じた多くの人たちの。犠牲者たちの。縛れ」

トーレの言い訳「逃亡は息子のためだ」→学院から逃げてバスに乗り込んだ息子を拒否していた。バスから降ろそうとした時に警官がいたので、そのまま息子を連れて来た。兄テンビエン「あんたは演説の名人だったよな」言い逃れだと気づいている。テンビエン「町で警察に引き渡す。2日無駄にするが」山から降りてウルクス町に戻ろうとする。

トーレ「縄を解いてくれ。せめてタバコを。カネなしでフランスへ行くつもりか?ツテと労働許可証があればいい職につける。私が力になる」「ポケットに3万フランある。君たちで分けてくれ」兄がカネを床に投げた。札の中の「歌詞の紙」が出る。弟ジーノ「このカネは、誰に貰った?彼女の部屋で?前から関係があったのか」と歌詞の紙を破った。兄「子供の前では殺せない」

外に出た4人。トーレがわざとつまずき「足が折れた!殺せ!」と座り込む。兄「20分で担架を作る。生きたまま運ぶ」と拳銃をチュニジアに渡し兄弟と息子は場を離れる。

トーレ痛がるが、立ち上がり歩く!「ロープを切ってくれ」チュニジアが切る。トーレ「あそこが国境だ。イゼール峠だ。君は他と違う。カネなしで行くつもりか」床に散らばっているカネ。トーレ「君はカネ持ちになる」トーレがチュニジアから拳銃を取る。チュニジアがカネをかき集める。

少年が兄弟が集めた枝を、谷底に投げ捨てる。銃声が聞こえる。★観客はトーレがチュニジアを撃ったと思う。3発の銃声は警察が撃ったもの。兄弟は避難小屋へ急いで戻る。下から登って来た密売人「ウルクスの宿で女が殺された」ウルクスの警察が犯人を追って来た。

トーレとチュニジアが山の峠を登る。3人が追う。国境を越えたトーレとチュニジアが水門の小屋に入り、トーレはグルノーブルへ電話する。トーレ「殺されたのは若い娘さ。連中は殺人に問われる。無実を証明する前に、私は雲隠れだ。今夜グルノーブルへ。2人で」

3人が外を通るのに気づいたチュニジアが、アコーディオンを触って音を出した。アコーディオンの音に気づいた3人が水門小屋に入った。トーレ「弾け。歌え」ドアの影に隠れる。窓の外から見ていた少年が中に入る。兄「撃てよ」トーレが息子を見る。兄「見せてやれよ。父のやり方を学ばせろよ」もみ合う。3発の銃声。トーレが外へ逃げる。追う兄弟。中のチュニジア「戻ってくれ!少年が撃たれた」兄が包帯を巻いてやる。兄「担架を。町まで10分だ」

伊と仏の警察車来る。ウルクスの宿にいた警察官がジーノのマフラーを持っている。

救急車の息子、父を見る「知りません」★父を拒絶。少年「テンビエンの息子の名は?」兄「ファブリッツイオだよ」

・「フランスへの逃亡 Fuga in Francia」(1948)
製作:カルロ・ポンティ Carlo Ponti、監督:マリオ・ソルダーティ Mario Soldati、脚本・原案:Carlo Musso、Enrio Flaiano、Mario Soldati、脚本協力:Mario Bonfantini、Emilio Cecchi、Cesare Pavese、撮影:Domenico Scala、Seconde Operatore:A. Nannuzzi、助監督:Mario Girolami、Tino Richelmy、Lauro Venturi、衣裳:Piero Gherardi、音楽:ニーノ・ロータ Nino Rota、音楽監督:Franco Ferrara、編集:Mario Bonotti である。

出演は、フォルコ・ルリ Folco Lulli(リカルド・トーレ/元ファシスト党の幹部の逃亡者)、ピエトロ・ジェルミ Pietro Germi(兄テンビエン)、Mario Vercellone(弟ジーノ)、Enrico Olivieri 上手いなあ(少年息子ファブリッツイオ・トーレ)、Rosina Mirafiore(ピエリーナ/宿の女中/この宿で半年働いている/ローマでトーレ家の女中をしていた「閣下」)、Gianni du Four(チュニジア/アコーディオン弾き)、Cesare Olivieri(ジャコモ司祭/学園長/リカルドの同窓生)