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鑑賞日 2025/03/02  登録日 2025/03/20  評点 65点 

鑑賞方法 レンタル/神奈川県/ゲオ/ゲオ大和中央店 
3D/字幕 -/-
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コンプレックスの三すくみ三姉妹。

原作は舞台劇。ペヤンヌマキが主宰する劇団の同名の公演を橋口亮輔監督が脚色し、テレビドラマとした。
CS放送「ホームドラマチャンネル」とはどのようなメディアなのか判らないが、そのドラマシリーズを再編集
して劇場公開した(cinemarche.net)という。なんーだ、映画じゃないんだ。個人的に舞台劇の観劇経験
はなし、テレビドラマの劇場版も苦手、地雷原に飛び込む兵隊さんの気分。さて、どうなるか。

母親の誕生日を記念して、三姉妹が母親を連れて風光明媚な温泉ホテルに投宿する。長女の弥生
(江口のりこ)はしっかり者だが、次女三女の美人姉妹とは大きく見劣りする容貌がコンプレックス。
次女の愛美(内田慈)は姉の優等生ぶりに圧倒されっぱなし、結婚失敗などで芽が出ない生活。三女の
清美(古川琴音)は上の二人の美醜バトルに一歩引いた立場。三人に共通するのは「母親のようには
なりたくない」というDNA拒否スタイル。どうやら強烈キャラらしいが、映画では姿を見せない。あえての
母親隠しの演出。弥生が用意して他プレゼントの高価ショール、誕生日ケーキなどが映像では紹介され
るが、当夜の誕生パーティは省略され、返却されたショールなど、三姉妹の企画は見事に蹴飛ばされた。
題名も「お母さんが一緒」なのだが、母親隠しの演出によって、三姉妹の会話劇となった。そうすると、
題名とはいったい何だろう、という疑問も残る。
三姉妹の会話劇は乱戦気味で、それなりに面白いのだが、単なるガールズトークと軽んじるムキもある
だろう。弥生の一重まぶたの哀しい話も切ないが、同様の話ばかりではキリがない。
清美が用意した婚約者のタカヒロは、母親の誕生祝いよりも爆弾級の破壊力。さらにタカヒロは、一人
息子を抱えたシングルファーザーであることが暴露され、前途多難な結婚生活と、二人の姉は心配する。

結局は、頼りになるのは家族という落とし所で収める。元の舞台劇は知らないが、やはり旅館内での
三姉妹の会話で進める内容は、丁々発止のリズムが命。長女と次女のコンビネーションは立派。