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鑑賞日 2025/03/15  登録日 2025/03/20  評点 70点 

鑑賞方法 映画館/神奈川県/イオンシネマ座間 
3D/字幕 -/字幕
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イ・ソンギュンさんの遺作とは残念です。

映画のアイデアを絞り出すのはたいへんな作業だが、ちょっとめずらしい二種混合のアイデアに出会
ったようだ。映画ポスターなどから、空港線ハイウェイの崩落するパニック映画と想像する観客が多い
のではないか。しかし濃霧の橋で多重交通事故を起こりえるが。崩落するはずはない。大型ヘリの
墜落のショックが必要となり、軍の秘密計画隠蔽の話が出てきたような気がする。軍用犬の対人攻撃
計画というSF的なストーリーが先に体提案されていたら、閉鎖空間は別のところも考えられる。ニワ
トリが先かタマゴが先か、とういう命題に煩わされながら観てしまった。

映画の冒頭は、新種の軍用犬開発の話。西側政府の協力を得て韓国軍は、自爆ベストや機関銃で
武装したテロリスト対策に、対人攻撃用の軍用犬がDNA操作で研究されていた。私も橋上のパニック
映画と理解していたので、このオープニングには違和感を持った。
パニック映画に欠かせないのが群像描写。こちらは快調そのもの。青瓦台大統領補佐官チャ・ジョン
ウォンと留学に向かう娘のギョンミン、そのクルマのガソリン代を請求するレッカー車のジョー・パーク、
ゴルフ選手とマネージャーの姉妹、認知症の妻とその夫、とミニドラマを見せつつ人物紹介。
折からの濃霧、空港線の橋の上にもたっぷり霧がかかる。いったん事故があれば後続車は霧の中で、
さらにクラッシュを続けるだけ。このシークエンスの描写は迫力十分で文句なし。
この中に新型軍用犬の車両があり、やはり衝突してしまう。
中止、廃棄のプロジェクトであり、大型ヘリが犬の車両を引き揚げようとするが、視界不良の中、橋の
柱に激突。ついに橋の基本部分の墓が始まり、道路部分が落下してしまう。犬専用の車両の扉が開く。
霧の中、攻撃に特定された本能の軍用犬が、橋上に残された人々を襲う…。

猛犬に襲われれば、橋の崩落は忘れる。吠え声が遠ければ、橋の崩れに恐怖する。映画は二焦点
の恐怖を描くが、算数のようにきれいな二倍にはならない。そのあたりの計算違いが、大化けしない