ジグソウの手間暇、製作費はカウントされない。

シリーズ第１０作というが、観ている作品と未見のものとゴチャゴチャ。猟奇的な仕掛けで人をハメ、生きるか
死ぬかの残酷ゲームをやらせる。ともかくその仕掛け自体が映画の売りで、制作陣は想像力のタガを外して、
極めて残虐なシーンを製作、ファンは先品全体よりもその仕掛けを評価する独特のスタイルになっている。

マニアックな仕掛けをつくる連続猟奇殺人犯ジグソウが主人公となる。その素顔のジョン・クレーマーが登場し、
末期の脳腫瘍で余命宣告を受けてしまった。新しい治療を考えた時、末期膵臓ガンから見事に甦った男と
出会った。彼とはセラピーで一緒になったのだ。彼はノルウェーの医師の手術と新薬で完治したので、
クレーマーにも紹介した。
ネットから実際の治療に進んだクレーマーはセシリア・ペダーソンの手術を受ける。彼女らの新治療は従来
の製薬会社の製品を不要とするもので、種々の妨害を受けているという。ところが回復期に自分の頭部を
確認すると手術痕はなかった。大金を巻き上がられた詐欺と判明。彼女らへの復讐を決意した。

病院通いをするクレーマーから死のゲームが始まる。病院の私物入れを物色する病院職員がターゲットで、
両眼にチューブをつけられ、両手には指を逆さ折りにする器具という責め具。彼は時間切れで指は折られ、
両眼はチューブから吸い取られてしまう。このパートはクレーマーの妄想。
実際の復讐はアマンダを助手に、看護師の男から始まる。両腕に爆弾が縫い付けられていた。
本命の医師セシリア、看護師のヴァレンティーナらを拉致する。このヴァレンティーナの死のゲームが最も
グロテスク。糸鋸の首を切断する位置にあり、時間内に太ももを糸鋸せ切断しないと首が切られるという
糸鋸地獄。結局、彼女は首も切り落とされて死ぬのだが、セシリアが腹を解剖して、小腸をロープ代わりに
使われてしまう…。

全体とすると、主犯格のセシリアにはガス責めで残酷性はない。妙にアンバランスな「ソウＸ」となった。