男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

KINENOTE公式Twitter

鑑賞日 2025/04/09  登録日 2025/04/15  評点 70点 

鑑賞方法 レンタル/神奈川県/ゲオ/ゲオ大和中央店 
3D/字幕 -/字幕
いいね!レビューランキング 186位

神はタトゥーと銃弾、という感じ。

原作小説があって「このミステリーがすごい!」の2002年の海外部門の第一位だという。文庫本でも573
ページもある。これをニック・カサヴェテス監督が脚色し、暴力描写満載のクライム映画となった。

クリスマスの夜、ボブ・ハイタワー刑事はパトカーで、元妻の家付近を巡回、娘のギャビに電話をして屋根
の赤灯を回す。メリークリスマス。家には現在の夫がいるので、訪れる訳にはいかない。
その平和な家に、カルト宗教の一団が襲いかかった。元妻とその夫は虐殺、娘のギャビを誘拐したのだった。
悪魔崇拝の「左手の小径」という最悪の暴力カルト宗教だった。
捜査は遅々と進まない。ボブにしろ基本はデスクワークの刑事で、捜査に首を突っ込むわけにもいかない。
ボブは「左手の小径」の元信者だったケース・ハーディンと会う。ギャビと同様にこの集団に誘拐され洗脳
された。何とか無事に組織を抜け出すことが出来て、生還した。ケースはボブの話を聞き、当時の恐怖感を
克服したわけではないが、娘を思う父親の心境に心を動かされ、ギャビ救出に協力することになった。ボブは
法に頼ることの出来ない状況に、警察を退職、背水の陣でカルト宗教に立ち向かった。
ケースは左手の小径に近づくには、タトゥーを入れなければならいと、嫌がるボブの胸に大きな入れ墨。
カルト宗教の一団は全員総身にタトゥーだらけ。リーダーのサイラスもタトゥーのお化け。顔には十字架を
逆さにしたタトゥーが複数ある。恐怖感は極まっているのだが、宗教色は薄い。ひたすら暴力に依存し集団
に君臨するタイプ。この最悪な集団に愛娘ギャビが隠されている。ボブとケースの戦いは続く…。

ケースが銃弾をしげしげ見つめて、神の前では銃弾は平等と言うシーンがある。題名に直結したセリフ
なのだけれど、映画自体は血に飢えた暴力集団を退治する話で、神の問題は棚上げ。テーマが深まらない
ままヴァイオレンスシーンが続く。「左手の小径」というカルト宗教なのだが、題目の悪魔崇拝についての
言及もなく、ただの麻薬ジャンキー集団にしか見えない。長尺の原作をはしょったのか、ずるずると暴力の
応酬が繰り返されるだけ。それでも独特の雰囲気を醸成した努力には敬意を表したい。