壮大な実験作。

＜70/80年代 フランシス・F・コッポラ 特集上映 ―終わりなき再編集―＞の上映作品。

フランシス・フォード・コッポラが、時間と資金をふんだんに投入した勝負作「地獄の黙示録」の成功の後に、内容を180度変えて取り掛かった1982年作のロマンティック・ミュージカルを、再編集した2023年バージョン。

オリジナル版も公開当時に見ているが、世評の通りに成功作とは思えなかった記憶があるものの、本バージョンとの違いについては全くわからない。今回の印象としては、舞台となるラスベガスなど広大なセットを使う贅沢なお金の掛け方をする割にラブストーリーとしては浅い内容と感じる。

ただし、その人間ドラマとしては敢えて表面的に描き、映像は凝りまくるというコッポラの実験精神の産物なのかも知れず。どうやら今回の再編集もシーンの長さや順番を細かく修正したらしい。コッポラの作品への執念はやはり凄い。