同行者までの距離。

<第20回大阪アジアン映画祭>の上映作品。

自主映画の監督をしている主人公・太郎は、コンクールで入選し、別府ブルーバード劇場まで足を運ぶが、選者に内容を厳しく批判されて、上映後のパーティにも参加せず、その後、旅行に向かうが、上映会で作品を見た女性に声をかけられ、一緒に旅をする…

ビール片手の女性との会話劇はオープンで楽しく、途中で本作の制作過程に跳んでしまう実験性も顔を出す。自主制作の自由さを活かした佳作。続編も見たい。

なお上映後に、足立紳監督による舞台挨拶がありました。

監督によれば、本作はもともと、別府短編映画祭という旅行者向けの映画祭でブルーバード劇場で上映するために作られたが、作っていくうちに短編の枠をはみ出したとのこと。

旅のシーンでは、別府で撮る予定だったところ豊後大野になった。お寺のシーンは完全なフィクションで、振り付けは、大奥みたいにと指示したらそうなったとのこと。

会場からの質問で、「途中、話の底が抜けてしまうがその意図は？」との質問に対し、「自主制作は初めてということと、(脚本を)好きに書いてと言われ、ジャッジなしというのも初だった不安感をそのままオーディションの風景を挿入することなどでぶつけた」とのこと。

また、「同じ俳優が複数の役を演じている意図は？」との質問に対し、「やや不思議な世界に迷いこんだ感覚を持って欲しかった」とのこと。

監督夫人もプロデューサーとして参加しているそう。

また、山口県徳山市を台詞に入れたのは続編にしたい意図があったとのことで、「恋人までの距離(ディスタンス)」のような繋げ方を考えているそう。これは期待したいもの。