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鑑賞日 2025/04/07  登録日 2025/04/08  評点 70点 

鑑賞方法 映画館/大阪府/テアトル梅田 
3D/字幕 -/-
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伸縮自在な死の鳥。

クロアチア出身の新鋭ダイナ・O・プスィッチ監督作。余命僅かな少女チューズデーの前に現れたオウムの姿をした“死”(デス)。彼女は独特のユーモアでデスから猶予を貰うが、娘の死など断じて受け入れることのできない母ゾラは、デスを叩き焼き残った体も食べてしまう。しかし、その後、ゾラの身体に異変が現れ…

チューズデーでユーモアで死を遠ざけるやり取りに深刻さも心の持ちようで変えられることをファンタジックに表現したと感心したものの、母ゾラにもデスが見える展開に只のお伽話のようで少し落胆。デスが大きくなったり小さくなったりしたように、ゾラも同様になってしまうとなんだか不思議の国のアリスのコピーみたい。

犠牲者も拡大し世界が崩壊しかける終盤に個人的な話か終末譚なのか見えにくくなるが、チューズデーを失ったゾラが「立ち上がらなくっちゃ」とこれからを見据える時に、たった一人の娘を失った後の母親のこれからが描くことが本作の意義だと気づいた。