外を知り、自分を知る。

離島の旅館の跡取りとして皆に「4代目」と呼ばれる高校三年生の主人公・大洋は、島での生活を続けながら、自分の将来に割り切れなさを感じていた。お客としてやって来た二人の女子大生を案内しながら、外の世界への憧れが募ったのか、大洋はある日、島を出て…

自然豊かな島から、名古屋の夜の飲み屋街に舞台を移す後半部、雰囲気もめっきり変わって停滞するかと思ったら、大洋が連れていかれたバーのマスターや関係者が島に馴染みのある人ばかりで救われる展開。しかも、大洋もよく知る人がバーに関係していて、女子大生たちもここの常連という必然性のある物語。

人生に迷いを感じた主人公が、外の世界を見て、自分の足元が見えてくるという話を説教じみた感じなく描いて好感を感じる。