ニーソン集大成。

リーアム・ニーソン主演作。1970年代のアイルライドを舞台に、孤高の暗殺者が村での暮らしに安寧を見出し、引退を考えたところに逃亡してきたIRAのひとりが親しい子供を虐待している事実を知り、森に引入れ処刑しようとするが…

同時期公開の「アマチュア」と対になるタイトルながら、こちらの原題は「聖者と罪人の土地で」の意味。「96時間」など凄腕のエージェントを演じるアクション映画の多いニーソン作品の中では、故国アイルライドと紛争を描いた初期作「マイケル・コリンズ」からの系譜と、子供を救うヒーロー像に古典的な西部劇やクリント・イーストウッドの諸作を思わせる集大成的作品。

中でも最初は若者らしい軽薄な暗殺者の印象だったケビンが土壇場で協力に来て撃たれてしまう展開も泣けた。ちょっとニーソン最高傑作を撮ろうと力みすぎた印象も感じたが、警官との友情話を含め良作だとは思う。