その先に現実が待っていた。

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「レッド・ロケット」のショーン・ベイカー監督作。

ロシア系アメリカ人のストリップダンサーの主人公アノーラが客として出会った青年イヴァン。富豪の息子で豪邸住まいの彼に専属で雇われた7日間のうちに彼と電撃結婚。シンデレラストーリーを自で行く夢の中にいたアノーラだが、イヴァンの両親の依頼でお目付け役や男たちが結婚を無効にしようと現れる。両親もアメリカに向かっていると聞いたイヴァンはひとりで姿を消し、アノーラと男たちはイヴァンを探して街を彷徨うことに…

突然現れたお金持ちの王子様との結婚は周囲の人間に打ち砕かれ、夢から現実に引き戻される。最悪なのは、イヴァンの母親からの屈辱的な対応。結局、親を恐れるイヴァンからは謝罪のひとつもないものの、アノーラがただの暴力男だとばかり思っていたイゴールの意外な配慮が彼女の救いとなる。

シンデレラストーリーのその後の顛末を描くという珍しさはあるものの、そのお話に140分弱はちょっと長い。「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」の方が私には好み。