アウトロー母娘の逃避行。

児童養護施設暮らしのルーのところに突然やってきた母カリーナが、ルーを施設に無断で連れ出し、オランダからポーランドへの車での旅となる。母との旅は嬉しいが、いささか常識はずれのカリーナの目を盗んで施設に連絡するルー。古いハリウッドの犯罪映画が大好きなカリーナとの“ボニーとクライド”のような逃避行の結末は…

「俺たちに明日はない」のボニーとクライドは警官隊の銃撃により蜂の巣となって果てたが、ルーとカリーナは当然そうはならないのだが、それには情緒不安定な母を持つ娘の大人びた達観があるからでもある。

母親に甘えたい年頃なのに、いつまでも子どものままではいられない事情を持つルーの物語。でも誕生日ケーキを食べられた子の心中をお察しする。

本作の前に見た「花束」が児童養護施設で暮らした経験を持つ少年少女を撮影した映画だったが、劇場の番組編成担当が考えてのプログラムか。