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鑑賞日 2025/04/23  登録日 2025/04/24  評点 75点 

鑑賞方法 映画館/京都府/京都シネマ 
3D/字幕 -/-
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愛を失い酒に走る。

浅野忠信が実在した写真家・深瀬昌久を、瀧口公美がその妻を演じた、ラブストーリーであり、アーティストのドラマ。

タイトルにあるレイブン(鴉)は、深瀬の代表的なテーマであるが、本作の主人公・深瀬だけが見える存在として画面に登場。ドラマの中では多少作り物めいた感触はあるが、歪な人生を送った深瀬を描くにはちょうどいいとも思える。

40までに大成しなければ死ぬべきと主人公に教えた父親を古舘寛治が演じるのだが、昔気質の父親をさらに病的なまでに頑固にしたその性質は主人公の中にも息づいているのが、浅野、古舘の演技から漂ってくる。

写真展に来た妻を迎えた深瀬が結婚していることを聞いて表情が曇る時、既に彼の末路を予感させる。私は存在すら知らなかった写真家、イギリスの監督が撮ったということも驚きがあるが、日本人が演じていてもヨーロッパ映画の雰囲気は感じていた。浅野忠信の近年の代表作の一本になってもいい作品。