広報戦争。

ヒトラー政権下で宣伝大臣として国民を煽動することに長けたヨーゼフ・ゲッベルスを、ヒトラーの首相就任からヒトラーの死の時間軸までで描いた作品。

アーカイブ映像と共に描かれるナチス高官たちの生々しい会話劇。どこまで資料があったのかは分からないが、監督インタビューによればできる限りの資料を集めたそう。

そこから浮かび上がるのは、あれほどの人の命を奪いながら、その現実感なく権力にしがみつく俗人根性。ナチス関係はドイツではかなり敏感な題材だと聞くが、時系列的には飛び飛びながらナチスにとっての重要な時代をリアルに描き出したことは、勇気ある仕事と思う。