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ウィキッド ふたりの魔女
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2003年初演のブロードウェイミュージカルの映画化。 「オズの魔法使い」の話に登場する、 西の悪い魔女「エルファバ」と北の良い魔女「グリンダ」について、 彼女たちの若い頃のエピソードを新たに創作したストーリー。 したがって、彼女たちやオズの国が最終的にどうなるかは、 予め知っている状態で観ることになる。 -- 「結末が判っている」ということは、 ストーリー的には「解りやすさ」に繋がる筈だが、 それに反して、この作品は「何が話の主題の映画なのか?」が解かり難いまま観る事になった。 その理由は、ストーリーの要素が、、 (1)肌が緑色のエルファバが周囲からの偏見に応対する (2)エルファバとグリンダが関わるエピソード (3)人間のように話し人間同様に尊重されていた動物たちへの迫害が進行 (4)オズの国の統治を容易にするための工作&思想操作 など複数盛り込まれていて、 話があちこち移っていき、 どれが本当の主題か解らないまま観る事になった。 また、話を引っ張る役のグリンダが何も考えていないタイプで、 その場で思いついたことをすぐしゃべるので、 話があちこち飛ぶ展開を先導することになった。 -- 実は、冒頭でいきなり「魔女の火あぶり」を見せられ、 現実の最近のアメリカでも日本でも、 正義をはき違えた人たち(一般人やマスコミも含む)による「魔女狩り」「魔女裁判」のような行為が複数存在したので、 (3)や(4)のような社会問題を反映したストーリーではないかと、 半分期待、半分「魔女狩りなどを良しとする等の見当違いへのの不安」を感じた。 今の社会に照らし合わせると、 (3)は排外主義、 (4)は独裁国家へと進む過程を、 それぞれ描いているように思える。 でも、映画の中でのそれらの描き方は、 「誰も望んでいない排外主義の方針が突然トップダウンで降りて来る」 「統治や民衆に問題があるように見えないのに、なぜか『国民の監視が必要』『国民の意識をそらすために共通の敵を作る』という工作が実施される」 といった感じだが、 実社会では「排外主義になるのも独裁国家になるのも、それを望む多くの国民の存在が理由かつ前提(それゆえ解消が難しい)」なのだから、 現実に合わない架空の出来事を描いても意味がない。 (3)(4)を描く映画を作るなら、 現実への照らし合わせが可能なストーリーで、もっとジックリ描く作風で見せるべきで、 話が散乱するストーリーにおいて雑に扱ってはいけないと思う。 -- (1)と(2)は、前述のように、 エルファバは、周りの偏見との対峙に悩み、 グリンダは、何も考えていない状態からエルファバの存在を大切に思うようになり、 2人とも心境が変化していくのだが、 グリンダは変化の速さが遅いし、 エルファバは彼女の敵が「偏見」だったはずが最終的に「自由を脅かす勢力」に変わっちゃっていて、 この点でもしっくりこないストーリーだと思った。 以上の不満は、パート2で解消されるのだろうか?
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