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鑑賞日 2025/04/28  登録日 2025/04/28  評点 60点 

鑑賞方法 VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 
3D/字幕 -/字幕
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墓を暴くってだけで怖いのよ。

巫堂(ムーダン)のファリムと弟子ボンギルは、医師の紹介でアメリカの奇妙な家族に引き合わされる。男は一族の跡取りパク・ジヨン。父までは韓国籍だが自身はアメリカ国籍を持つ桁違いの大金持ちだった。その家では跡継ぎの長男が代々何かに取り憑かれ、目を閉じると鳴き声や悲鳴が聴こえるという。そしてジヨンの赤ん坊は今謎の病気にかかっていた。ジヨンは母親の反対を押し切り、ファリムに墓の鑑定を依頼する。ファリムは金に行き詰まった風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)に声をかけ、彼らはこの件に1枚噛むことに。
墓所へ向かう途中、サンドクはジヨンと顔合わせをするが、ジヨンはなぜか棺を開けず内密で即火葬してほしいと言う。ともかく到着した山頂の墓は、たった一基ぽつんと佇む粗末なもので、名前も彫られていなかった。しかもその土地は悪相で、サンドクはこの仕事は危険すぎて請け負えないと言い出す。
息子を助けてほしいと頼むジヨンのため(と金のため)、ファリムはお祓いと改葬を同時に行うことをサンドクに提案し、サンドクは渋々承諾する。しかし棺を掘り出して車に乗せ火葬場に向かう途中、彼らは激しい雨に見舞われる。こんな日に火葬を行うと死者が眠りにつけない。棺は一旦ヨングンの知り合いのいる病院の霊安室に安置されることになったが、その知り合いが豪華な棺の中の埋蔵物目当てにこっそり棺を開けてしまう。その現場に偶然来合わせたファリムとボンギルの側を、棺を抜け出た「何か」がすり抜け…。

不気味な儀式。しかし刃物で邪悪なものを祓うというのは万国共通か。棺を掘り起こした跡には人の頭をした蛇。これが最高に気味悪い。墓の周辺をうろうろする狐の群れ。ジヨンの祖父はいわゆる売国奴で、だから悪地に埋められたらしい。埋めた僧侶の名はキスネ、それって狐だよね?と気づいた時から日本人が絡んでくるのを察してしまう。棺を掘り出したしたあとにはまた棺、しかも垂直に立ってる、それもデカい、さらにバラ線でぐるぐる巻きにされてる!いやいや怖すぎるし、「重葬」という言葉の響きも凶々しい。怨霊の正体は落武者、韓国人にとっては鬼。韓国の霊は恨みがないと祟らないそうだが日本のは近寄っただけで祟るという台詞、韓国人が日本人をどう見ているかがよく分かるなと思ってしまうが深読みしすぎか。派手な演出や大きな音で怖がらせる西洋流ホラーより、本作のようなものに私はより怖さを感じるが、しかし血は出過ぎじゃない?とは思った(韓国映画だから仕方ないか)。ラスト、サンドクの娘の結婚式の記念撮影で後ろに何か写るんじゃないかと思って最後までドキドキしてしまった。
ややコメディタッチの序盤からシリアスへと内容的には韓国映画の定石を踏んだ構成。美術が素晴らしく、ベテラン俳優陣の演技がとても良い。