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殺人狂時代
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『殺人狂時代』 1967(昭和42年) 東宝 (Amazonプライム・ビデオ) 「無駄遣いする時ほど金は輝く」 「砲弾が落ちた穴に飛び込めば同じところに砲弾は落ちないから大丈夫だ。穴から穴へ。これを繰り返せば良いのさ」 ヒットした日活のアクションコメディ映画『危ばいことなら銭になる』(1962)は原作・都筑道夫、脚本は池田一朗、山﨑忠昭。 同じ都筑道夫原作『飢えた遺産(なめくじに聞いてみろ)』を山﨑忠昭と小川英が脚本化したが日活ではボツになった。 その脚本に岡本喜八が手を加えて映画化したが東宝幹部は公開を見合わせた。閑散期の2月にひっそり公開して歴代最低の興行成績という不名誉な記録を作ってしまったが後に再評価された。 『危ばいことなら銭になる』は颯爽とした登場人物達が大金を巡って丁々発止を繰り広げて面白かった。 『殺人狂時代』は精神科の患者を殺人狂に仕立て上げて殺人によって「人口を調節する」という秘密組織「大日本人口調節審議会」と仲代達矢の主人公桔梗信治との戦いを描く。 仲代達矢は度の厚い眼鏡をかけて水虫を抱えた冴えないマザコン大学教師なのだが次々と襲いかかる殺し屋を偶然返り討ちにしていく。 仲代達矢が役者仲間に付けられたあだ名は「モヤ」。『天国と地獄』の有能な刑事とか『野獣死すべし』の伊達邦彦よりも『殺人狂時代』のとぼけた主人公の方が仲代さんの地に近いのかも知れない。 団玲子さんがキュート。全裸でベッドに横たわり主人公を誘惑したり悪の組織から拷問されたり。峰不二子みたい。 「偉業を成し遂げた偉人はみんな狂人だ」という大日本人口調節審議会の首領・溝呂木省吾を演ずるのは天本英世。長いドイツ語のセリフを語る姿がかっこいい。この溝呂木のキャラクターが『仮面ライダー』の死神博士の元ネタなのかも知れない。 桔梗(仲代達矢)は途中で団玲子によって服装や髪型を変えさせられて詰襟、眼鏡なしのスマートなスタイルになる。偶然?殺し屋達を返り討ちにする桔梗に惚れてついてくるカーマニア・大友ビル(オートモビル)は砂塚秀夫さん。主人公に翻弄される三枚目役はお手のもの。 富士の裾野の自衛隊演習場での爆発は火薬使いすぎだろという迫力。我らのイデ隊員こと二瓶正也さんも兵士役で出ている。 国家が最大の殺人狂だろうという隠しテーマのせいか『危ばいことなら銭になる』の様な痛快アクションコメディにはならなかったが後の『ルパン三世』(原作)の様なアナーキーな魅力に溢れた佳作になった。
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