スケールの大きいアクション。社会風刺も効いている

『新幹線大爆破』
Bullet train explosion
2025
Netflix
（Netflix）

「お客様の安全に優る運行はない」

「これがベストなプランなのか？」
「ベストかどうかは、わかりません。やるかやらないかです。やる責任があります」

「まだやり直せる。世間がどれほどいい加減か、私はよく知ってる。どんなスキャンダルも国民はすぐ忘れる。だってこんな私にまた投票するんだから」

「目の前の命が救えなくて何が政治だ！」

とても良くできたサスペンスアクション。政治や社会への風刺も効いている。

ゴジラシリーズには
（1）1954年に日本にゴジラが襲来した世界線の作品
（2）その作品で初めてゴジラが日本に現れた世界線
の二種類がある。

Netflix版『新幹線大爆破』は1975年に新幹線ひかり109号が爆破予告を受けた事件がある世界だ。ストーリーも繋がりがある。だから「リメイク」というより「続編」という方が相応しいかもしれない。

原作へのリスペクトもあるしJR東日本の全面協力を得てスケールの大きいサスペンスアクション映画になった。

鉄道ファンはきっと喜んでいるのではないかな。

1975年と違うのは
SNS
インフルエンサー
観光船沈没事故を思わせる件
スキャンダルの渦中にある女性国会議員など。

社会風刺、政治風刺も効いている。そして犯人は『セブン』の犯人や『ダークナイト』のジョーカーの様に「トロッコ問題」を突きつけてくる。人間は信じるに値しない。そうだろ？

それに対峙する主人公・草彅剛はひたすら誠実で真面目だ。それはJR東日本と協力会社の皆さんも同じ。人間は信じるに値する。人の為になすべきことをすると彼等は静かに微笑むのだ。

個人的な事だけど2011年3月11日14:46私は上りの東北新幹線に乗車していた。時速250kmから脱線もせずに新幹線は花巻駅の南で停車したが岩手県は全県停電。暖房が止まって凍える車内で一夜を過ごした翌日、JR東日本がバスで救援に来てくれた。避難先に盛岡駅長が自ら来てくれて東京への帰還手段を提供してくれた。新潟周りの東京行き臨時バスは途中で道路が通れない場合は盛岡へ引き返す場合もあると説明された。バス運転手さんの緊張感がこちらにまで伝わった。お陰で東京まで無事に帰れた。今こうして生きていられるのはJR東日本の皆さんのおかげだ。

・『3000万』の木原勝利さんが新幹線指令室にいた。「犯人はこいつか！」と思ったが違いました。失礼しました。
・『作りたい女と食べたい女』の西野恵未さんが技術スタッフを演じていた。冷静で頼もしい。
・のんが運転士役。『私にふさわしいホテル』の様にブチ切れないかと心配した（嘘
・要潤さんは日本のヒュー・グラント（いけすかないイケメンな悪い人枠）に舵を切ったのかな。
・映画の中で放映されるニュースがBBCだったのは何故なのかな？

日本政府がテロリストの身代金要求に応える気がなく人質の救援にも消極的で最後には『カサンドラ・クロス』の様に乗客を見捨てようとするのは今の政府の有り様をよく表していると思った。

エンドクレジットにゆりやんレトリイバーの名前があったがどこに出てたのかな？