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鑑賞日 2025/04/06  登録日 2025/04/06  評点 80点 

鑑賞方法 その他/TSUTAYA DISCAS 
3D/字幕 -/字幕
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美しい旅立ちを乗せたタクシー

家族との生活費にも困窮しているタクシー運転手のシャルル(ダニー・ブーン)が、金になりそうな長距離客の老婆を乗せた。
その老婆は後半にわかるが、老人ホームに入る(既に入居済だが)前にパリ周辺の自分の人生をタクシーで巡るという一種のロードムービーである。92歳の老婆マドレーヌ(リーヌ・ルノー)はタクシーの中でシャルルに自分の人生を語る。最初は鬱陶しい客だと思ったシャルルだが、彼女の語りを聞くうちに自分の人生も照らし合わせたのでしょう。自分の祖母のように打ち解けて接するようになる。
彼女の話は、第二次世界大戦終了後のパリ解放時に知り合った米兵との間に息子をもうけるが、米兵は帰国私生児として育てる。
やがて新しい男と結婚するが、この男がDV男であり息子・妻に暴力を振るう。この頃のマドレーヌ役はアリス・イザース。暴力に耐えられなくなり、息子を母親に預けた間に夫の陰部をガスバーナで折檻。(当時はフランスでも妻側からの離婚話もできない男社会だったようだ)
殺人未遂で裁判、禁固刑25年の厳しい判決。(重要犯罪は、上訴ができな、これも信じられぬフランスの法律)
やっと出所するが、愛息子は成長していたが、戦場カメラマンを目指しベトナムへ、そこで帰らぬ人となる。
当然母親も先に亡くなり、一人となったマドレーヌは老人ホームを選択したということ。人生の悲哀を感じさせる。
巡る旅を終えたタクシーは老人ホームの前で下すが、料金の支払いが終わっていない。シャルルは「後でいい」と言うが、彼女はカードも持っていないのか?こんな運転手は実際には居ないはずだが、要は最後のよくできた伏線だったのでした。
タクシー関連の映画は多く、名作もたくさん見た。
私の見た映画で上位評価作品は、「タクシードライバー」(1976)、「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991)、「タクシー運転手」(2017)、邦画では「月はどっちに出ている」(1993)、「KAMIKAZE TAXI」(1995)ですが、本映画もその仲間入りにする映画でした。