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鑑賞日 2025/04/08  登録日 2025/04/08  評点 80点 

鑑賞方法 その他/TSUTAYA DISCAS 
3D/字幕 -/字幕
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負の連鎖の終点が見えない映画

結局最後まで救いようのない重すぎる映画でした。
知的障害があり両親を亡くしている青年ソック(キム・デミョン)だが、地元の街ではその勤勉さ(同じルーチンをこなすのは得意)で古くからの友人たちからも対等に扱われている。
一方保護施設(シェルター)で暮らす少女ウンジ(チョン・チェウン)は、既に亡くなっている父を探し母親から逃げてこの町へ。どこか大きな心の病を抱えている。
そんな二人が地元の祭りのひょんな出来事からその仲を深める。
ある時ソックの仕事場の精米所でウンジが事故に会い意識を無くす、そこに来たソックが発見し少女を介抱するが、日ごろからソックの性衝動の心配をしていた施設のキム所長(ソン・ユナ)がその場面を目撃、ソックがウンジにいたずらしていると思い込み裁判沙汰となる。負の連鎖の始まりである。
ウンジが起こった事実を説明できればいいのだが意識を失っていたこと。ソックは弁明能力は全くなし。裁判の結果も懲役4年の罪、神父(キム・ウイソン)の働きかけで情状酌量で放免されるが、町の人間のソックを見る目は犯罪者に対する目。
精米所も売却され示談金にしたのでしょう。
ここから少しはハッピーな展開もあるのかと思いきや全くなし。
ウンジは仕方なく実母の元へ引き取られ、ソックとの別れも心とは別に「もう友達ではない」との言葉。
ソックはウンジとの思い出の池のそばの木にぬいぐるみを飾り、自らは池の中の魚を追いかけ深みに入る。入水自殺を想定させるが、知的障碍者は自死は選択はしないと思う。
周りの人間で唯一人間らしさを出したのが神父。あまり宗教家を信じない私であるが、この神父の行動だけには心を感じた。
一方キム所長、ウンジの心を表す夢の中やスケッチの中に黒い犬が出てくる。面会に来た義父の手に黒い犬の入れ墨を見た。ここできっと義父からのDVによる心の傷ではと見破ったはず。ここから何らかの行動を起こすべきであったが、所長失格です。
ソック役のキム・デミョンが素晴らしい演技でした。