混沌とした開き直りの強さ

ビデオに残された若々しい面々のソ連崩壊とジョージア独立の開放感が２７年経って同じ半地下の部屋に集まる先の見えない閉塞感をより際立たせるが、それでも悲壮感を感じさせない混沌とした開き直りの強さがどの人物からも滲み出ていて逞しささえ感じ取れる。皆”蝶の渡り”のように出て行こうとするが、それを見届ける画家コスタの人生を諦観したような眼差しや全てを撮り終えたかのようにカメラを子供に託すナタの儚げな佇まいが目に焼き付いた。