最愛の夫の面影を忘れられない未亡人は夫に瓜二つの男を見かけ積極的に近づいてゆく。ドッペルゲンガーがテーマである。
　ビリー・ワイルダーに師事したというアリー・ポジン監督の的確で節度のある演出は良き時代のハリウッド映画、ダグラス・サークのメロドラマを観るような心地よさがある。そして女のエゴイズムの恐ろしさを見せるあたりは現代的だ。アネット・ベニング、エド・ハリス、役不足ではあるがロビン・ウィリアムズの伯仲した演技は見もの。