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サムライ(1967)
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昨年、2024年8月18日にアラン・ドロンが亡くなった。88歳だった。これは個人的な感想だが仮に俳優を見た目で評価するならば私はアラン・ドロンの右に出るほどの二枚目は未だこの世にはいないと思っている。かといってアラン・ドロンの作品を全て見ているかというとそうではなく、映画を見た目のいい俳優ばかりでは追えないから当然未見の作品の方が多い。だからこそ「アラン・ドロンの追悼として見るにはどの作品がいいか?」といえばまだまだ選び放題なのだ。熟慮して選んだ作品が、ジャン=ピエール・メルヴィルの『サムライ』。個人的には正解だった。ドロンからの依頼があったのかもしれないが美しいドロンをフィルムに残すことに成功している。 主人公の殺し屋役のドロンが外出するとき被った帽子を鏡を見て直しながら帽子のつばをサッとなぞる。メルヴィルによるこうした様式美演出は、数々の作品に影響を与えたと言われているけれど見ながらパッと頭に浮かんだのはまずジム・ジャームッシュの『ゴースト・ドッグ』。サムライでは冒頭、主人公の殺し屋の境地として武士道の一節が引用されるが(新渡戸稲造かな?)、ゴースト・ドッグは葉隠の教えを重んじていた。次に殺し屋としてのドロンの仕事ぶりからは、デヴィッド・フィンチャーの『ザ・キラー』。アラン・ドロン演じるジェフ・コステロは、請け負った仕事を終えた道々で殺人の証拠となる手袋や拳銃を捨てていく。『ザ・キラー』の殺し屋マイケル・ファスベンダーもここでも、あそこでも使い終えたものをいろいろ捨ててた。これコステロの真似したかったんではないか?自身の仕事への美学として。 フィルム・ノワールを命名したのはフランス人だがハリウッドの犯罪映画の特徴を捉えて定義したものだと思うのでメルヴィルなどは専らフレンチ・フィルム・ノワールと言うのかな?必然的に夜わ雨降りのシーンの多さ、裏社会、セリフを抑えて暗示に依存した表現。この作品でもその辺りは充分に堪能できる。ドロンの姿をフィルム・ノワールとして残すことがメルヴィルの映画界における貢献の一つとなった。今度はどんなジャンルのドロンを見ようか?
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